一般・学生向け
低温研で活躍する学生

村井 秀
微生物生態分野/環境科学院 生物圏科学専攻 D2
写真:トムラウシ温泉東大雪荘にて (2026年6月)。
低温研を知ったきっかけは?
学部生の時に所属していた山岳部の同期や先輩が低温研で研究していたため、何となく存在は知っていました。初めて建物に入ったのは大学院進学を考えていた学部4年生の頃でした。メインストリートから離れたキャンパスの北に静かに佇む建物に魅力を感じたことを憶えています。氷河や雪氷系の研究室以外にも生物系の研究室があるのが意外でした。
低温研で今どのような研究をしていますか?
硫黄不均化細菌という微生物の研究をしています。硫黄不均化細菌は、チオ硫酸、単体硫黄、亜硫酸などの硫黄化合物から硫酸と硫化物を同時に生成する不均化という反応によって生育する微生物です。硫黄不均化細菌は海洋や温泉を中心とする様々な環境から分離培養されていますが、どのようなメカニズムで硫黄不均化を行うのか、自然環境中でどのように生育しているのか、といった問題はほとんど明らかになっていません。私は実験室での培養を通じて、硫黄不均化に関わる遺伝子や代謝の仕組みを調べています。また、道内の温泉で野外調査も行っており、新たな硫黄不均化細菌を分離培養して、その性質や環境中における役割を明らかにしようとしています。
大学院進学を決めた理由は何ですか?
学部生の頃から微生物の研究に興味があり、フィールドワークにも強い関心がありました。その上で、いくつかの研究室のホームページを閲覧したり、実際に訪問する中で、当研究室への進学を決めました。修士課程で研究を進める中で、もう少し今の研究を続けたいと思ったため、博士後期課程への進学を決めました。
なぜ今の研究をやろうと思ったのですか?
修士課程に進学した当初は、既に単離されていた新規硫黄不均化細菌の特徴づけという研究テーマに取り組みました。培地を作り、菌を接種する作業の繰り返しでしたが、目に見えない微生物が少しずつ増えていく様子を観察できることに、純粋な面白さを感じました。研究を進めるうちに、自分の手で新しい細菌を分離して研究してみたいと思うようになりました。その後、学内実習で道内の温泉調査に参加したことをきっかけに、新規性の高い細菌を分離することができました。当初は別々のテーマとして始まった研究でしたが、現在はそれらを組み合わせ、温泉に生息する微生物と硫黄化合物の関わりを明らかにする研究として進めています。
研究のおもしろい点はどこですか?
研究の面白さは、予想通りに進む場合と、予想を大きく超える結果が得られる場合の両方にあります。特に、最初に立てた仮説とは異なる結果が出たときには、なぜそのような結果になったのか考え、新しい仮説を立てる過程も面白いです。一方で、地道に実験や解析を積み重ね、狙った結果に辿り着いたときにも大きな達成感があります。
休日はどのように過ごされていますか?
金曜日は友人と過ごすことが多いですが、土日は用事がなければ自宅で過ごすようにしています。また、音楽が好きなので、時期によっては道内外で開催される音楽フェスに行くこともあります。一方で、自分の担当する回のゼミや学会発表が近い時期は研究室で作業することも多いです。
1日のスケジュールを教えてください
日によって異なりますが、朝7時から10時までに研究室に来て、夜は19時から20時頃までは居ることが多いです。実験は出来るだけ夕方までに終え、その後はデータ解析や執筆作業をすることが多いです。集中力が切れた時には低温研玄関の在・不在札を見て、遅い時間まで研究に励む人から刺激を貰っています。締め切りが近い時は早めに寝て、早朝から自宅で作業することもあります。

写真:トムラウシ温泉にて微生物ストリーマーを採取する様子 (2026年7月)。
(2026.9)
