一般・学生向け
低温研で活躍する学生
瓢子 俊太郎
海洋・海氷動態分野/環境科学院 地球圏科学専攻 D3
写真:南極昭和基地にて。
低温研を知ったきっかけは?
2016年に「環境科学院の大気と海洋と雪氷に関するスプリングスクール」という学部3年生向けの授業体験型の大学院説明会に参加しました。その際に、低温研内で授業を受ける機会があり、それが低温研を知ったきっかけでした。当時私は学部1年生でしたが、南極での研究というものに興味があり、多くの南極関係者の方々が所属している低温研という場所に驚いたことを良く記憶しております。
低温研で今どのような研究をしていますか?
南極において氷河/氷床を融解させる暖かい海水に関する研究を行っています。テレビや新聞等で南極の氷が融け、南極大陸上の氷が海洋へ流れ出ることで、海水準上昇を引き起こすというお話を聞いたことがありますか?この南極の氷を融解させるメカニズムに、海からの暖かい海水が大きな原因であることが現在わかっています。この暖かい海水ですが、年や月によって南極沿岸域まで沢山流入することもあればほとんど流入しないこともあります。なぜ南極沿岸域の暖水にこのような変動があるのかはまだわかっていないことが多く、そのメカニズムを主に数値シュレーションを用いて研究しています。
大学院進学を決めた理由は何ですか?
高校生の頃に東京海洋大学の大学説明会に参加し、南極観測に興味をもち始めました。前述した通り、学部1年生のときに「環境科学院の大気と海洋と雪氷に関するスプリングスクール」に参加し、南極の研究ができる大学院があることを知れたのが一番の決め手でした。また、学部生の時には今とは専門が違いますが気象学の研究をしていました。その時に初めて研究に出会い、そのおもしろさからもう少し研究をしてみたいなと思ったのも理由の1つです。
どのように今の研究室を選んだのですか?
私が在籍している環境科学院地球圏科学専攻大気海洋物理学・気候力学コースは少し特殊なカリキュラムで、大学院入学後に授業を一通り受けた後に所属研究室を決めます。私は元々南極には興味がありましたが、授業の中で極域研究をされているコース所属の先生方のお話を聞き、より南極に関わる研究ができる研究室に行きたいと思うようになりました。また、研究室を決める前に興味がある研究をされている先生方にお時間をとってもらい、面談もして頂きました。これらを踏まえて、極域での棚氷融解に関する研究を行っている、海洋海氷動態分野の中山佳洋先生の研究室を選ばせて頂きました。
研究のおもしろい点はどこですか?
大きく2点あります。1つ目は自分の興味があることに対してまだ誰も知らないこと(データ)を自分が一番最初に知ることができる点です。まだ経験は少ないですが、私はこれまでに大きく3回これを経験しています。その時のゾクゾク?ワクワク?する感覚は何にも変えられないものがあります。2つ目は、主体的に進められる点です。自分で考えて、1つの研究をリードして進めていくというのは、他の仕事などでも得られない経験であり、おもしろい点だなと思っております。
休日はどのように過ごされていますか?
休日は釣りや登山に行くこともありますが、自宅で過ごすことが最近は多いです。修士課程と博士課程1年生の時は北大山岳部に所属していましたので、週末は登山によく行っていました。また、料理が好きで作り置きを週末にしていることもあります。もちろん、学会発表前や論文執筆に伴い、休日でも頑張らないといけないことも多々ありますが。
1日のスケジュールを教えてください
用事がなければ、平日は大体朝7時から8時頃に研究室にきて、18時頃に帰宅することが多いです。自宅が低温研から近いのでお昼は食べに戻っています。曜日によっては学内セミナー等に参加しています。また、自分自身で時間の調整ができる環境にあるので、週に数回、英会話レッスンや友人との勉強会に参加しています。帰宅後は1〜2時間程度、読書や映画鑑賞など好きなことをする時間を作っています。
写真:観測現場(南極トッテン氷河沖)の風景。
(2024.7)