下の動画は、Large-Eddy Simulation(LES)と呼ばれる数値流体力学の手法を用いて、水平一様な植物群落上に発達する乱流をコンピュータで再現したものです。大規模な下降流(上図の青い領域)の前面に、マイクロフロントと呼ばれる構造(下図で濃度コンターが密に集中している線状の部分)が見られます。群落乱流に特徴的なパターンです。このような組織的な乱流構造(coherent eddy)が、植物群落内へCO2を運び込んだり、熱や水蒸気を群落内部から上空へ運び出すのに重要な役割を果たしています。そのため、組織構造の形成メカニズムを解明する研究を進めています。
図の縦軸・横軸はそれぞれ群落の高さで規格化した高度と水平距離です。上図は風速の鉛直成分を、下図はパッシブスカラー(CO2など)の濃度をそれぞれ示しています。
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