山口研で研究してみたい方へ
大学院進学を考えている方は、まずは山口(bunbunlowtem.hokudai.ac.jp)までメールでご連絡ください。最初はオンライン面談も可能です。実際に受験を検討される際には、一度研究室見学に来ていただくことをお勧めします。
・大学院の所属は、北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース になります。
・入試日程や願書等の詳細は環境科学院のHPでご確認ください。
研究テーマ
現在具体的に当研究室で調べているテーマとしては以下のようなものがあります(詳細はResearchのPageもご覧ください)。
1。季節性のからだの変化の仕組み
冬眠動物はそのからだを、秋から冬にかけて変化させることがわかっています。私たちの研究室では、白色脂肪、褐色脂肪、骨格筋、肝臓、腎臓、脳など、全身代謝調節に重要な役割を果たす組織の変化とその仕組みを明らかにしようと研究を行っています。
2。冬眠時の筋肉の性質変化の意義と仕組み
季節性の体の変化のなかでも、冬眠時の長期間の寝たきりや全身代謝の変化と共役して生じる骨格筋の変化に着目しています。この変化の仕組みに動物個体や培養細胞を用いた解析から迫ります。
3。冬眠時の低温耐性の仕組み
冬眠の際には体温が10ºC以下に低下しますが、冬眠動物の体は傷害を受けません。なぜ冬眠動物は、低体温に耐えられるのか、その仕組みに、組織・細胞レベルでの代謝やシグナル伝達の観点から迫ります。
4。冬眠の際の体温変化のリズムを生み出す仕組み
冬眠の際には、深冬眠と呼ばれる低体温状態と、中途覚醒と呼ばれる正常体温状態とを繰り返します。その仕組みに遺伝子レベルで迫ります。
当研究室の方針
当研究室では以下のような考えのもと、研究に携わる人が成長するとともに、新発見を生み出すことを目指しています。
大学・大学院では、知識をただ受動的に学ぶのではなく、能動的に研究という営みを身をもって行い考えることが要求されます。可塑性の高い若い時期に研究を通じて以下の3つの経験、「学び考える楽しみ」「自ら確かめる経験とその喜び」そして「未知なるものを見出した際の感激と驚嘆」を得ることが、その人の成長に間違いなくつながるはずです。
「学び考える楽しみ」とは、人類が長い時間をかけ獲得し蓄積してきた知識を、その獲得過程に想いを馳せつつ学び、そこから論理・連想・推測の組合わせにより新しい思索を行なうこと自体を楽しむことです。大学院で学び新しいものごとを見出したいという研究志望の若い人は元来この点は得意とするはずですが、理想に囚われたり視野狭窄に陥ったりして現実への適応が出来なくなったり、評論家・批評家的になってしまうこともままあります。生物学をはじめ実験科学ではここで、「自ら確かめる経験とその喜び」が重要となります。フランソワ・ジャコブがその著書「ハエ・マウス・ヒト」で言っているように、「実験は想像力の奔走を抑える」のです。実験科学の遂行には、綿密な計画、適切なサンプリング、確実な手技、そして結果という現実を正確に捉える目と分析する頭脳、の全てが要求されます。これらを滞りなく実行しその結果を得てまた次の手を考える、方針転換するかあるいは粘り強く挑むか、という様々な経験を積むこと自体が、仕事に要する時間や労力さらには専門性や伝統などに対する洞察を深める貴重な体験となります。またその過程で、多くの人が力を合わせることで良い仕事が成立するという、当たり前の事実も実感できると思います。さらに期待通りの結果が得られないという失望は忍耐強さと内省を、試行錯誤し思惑通りに達成できたという成功の喜びは自己肯定感を、それぞれ生み出すがために間違いなく人間的成長を生むでしょう。
そして3つ目の経験、「未知なるものを見出した際の感激と驚嘆」ですが、研究の現場でしか生み出し得ない、それまで誰も知らないような新しいデータを得たときの興奮や驚嘆、それに全く予期せぬデータに遭遇しその謎が解けた際に得られる感動は、何ものにも代え難いものです。大学院で学ぶ学生は、たとえそれが小さな発見であったとしても、自ら生み出したデータに感激し驚くという経験を積んで欲しいと思います。そして、その経験により自分自身のものの見方やそれまでの常識が変わることを、身をもって味わってもらいたいのです。これらの経験を真に得られれば、ものの見方、とらえ方がより柔軟かつ豊かとなるでしょう。そうすることで、現実を見据え伝統を大事にしつつも、未知なるものを志向し粘り強く理想を追求できるかもしれません。
当然、未知なるものに挑む基礎研究は道筋そのものが見えないため、失敗や挫折、回り道も多く時間もかかります。しかし、生き物と自然が秘める力の仕組みを科学の営みで解き明かすことは、上で述べたような理由から、私たち自身の、ものごとの見方や捉え方を間違いなく拡げてくれるでしょう。さらにそこから、暮らしや医療を支える新しい発明や創造の種も生まれてくるはずです。幸い、北海道大学そして低温科学研究所は、地球科学・物理学・化学・生物学をはじめ多岐に渡る学問分野から成る研究者により構成されており、専門分野以外の科学全域に対する興味や問題意識も、求めれば得ることが可能な環境といえます。開拓精神が根付く北の大地で、冬眠そして生き物の神秘に挑戦してみたい方は、ぜひご連絡ください。
研究室での日常
実際の研究遂行にあたっては、研究方針のディスカッションは当研究室の教員スタッフ(山口・曽根・山内)と、実際の実験指導は教員スタッフに加えて技術スタッフ(山下・延寿・曽根)、大学院生の先輩方など、ラボメンバーが必要に応じて行う態勢です。
・実験(毎日、週末は各自の判断で)
・プログレスレポート(研究進捗報告会、週1回)
・ジャーナルクラブ(論文読み会、週1回)
・教科書輪読会(時期に応じで行なっています。他教室等と合同、週1回)
・毎週の動物のお世話(ケージ交換作業など。少額ですがアルバイト代が出ます)
・英会話(希望者、外国人講師との個別レッスン、月2回程度)
Last update: 2024.9.26 現在の情報
大学院進学を考えている方は、まずは山口(bunbunlowtem.hokudai.ac.jp)までメールでご連絡ください。最初はオンライン面談も可能です。実際に受験を検討される際には、一度研究室見学に来ていただくことをお勧めします。
・大学院の所属は、北海道大学 大学院環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース になります。
・入試日程や願書等の詳細は環境科学院のHPでご確認ください。
研究テーマ
現在具体的に当研究室で調べているテーマとしては以下のようなものがあります(詳細はResearchのPageもご覧ください)。
1。季節性のからだの変化の仕組み
冬眠動物はそのからだを、秋から冬にかけて変化させることがわかっています。私たちの研究室では、白色脂肪、褐色脂肪、骨格筋、肝臓、腎臓、脳など、全身代謝調節に重要な役割を果たす組織の変化とその仕組みを明らかにしようと研究を行っています。
2。冬眠時の筋肉の性質変化の意義と仕組み
季節性の体の変化のなかでも、冬眠時の長期間の寝たきりや全身代謝の変化と共役して生じる骨格筋の変化に着目しています。この変化の仕組みに動物個体や培養細胞を用いた解析から迫ります。
3。冬眠時の低温耐性の仕組み
冬眠の際には体温が10ºC以下に低下しますが、冬眠動物の体は傷害を受けません。なぜ冬眠動物は、低体温に耐えられるのか、その仕組みに、組織・細胞レベルでの代謝やシグナル伝達の観点から迫ります。
4。冬眠の際の体温変化のリズムを生み出す仕組み
冬眠の際には、深冬眠と呼ばれる低体温状態と、中途覚醒と呼ばれる正常体温状態とを繰り返します。その仕組みに遺伝子レベルで迫ります。
当研究室の方針
当研究室では以下のような考えのもと、研究に携わる人が成長するとともに、新発見を生み出すことを目指しています。
大学・大学院では、知識をただ受動的に学ぶのではなく、能動的に研究という営みを身をもって行い考えることが要求されます。可塑性の高い若い時期に研究を通じて以下の3つの経験、「学び考える楽しみ」「自ら確かめる経験とその喜び」そして「未知なるものを見出した際の感激と驚嘆」を得ることが、その人の成長に間違いなくつながるはずです。
「学び考える楽しみ」とは、人類が長い時間をかけ獲得し蓄積してきた知識を、その獲得過程に想いを馳せつつ学び、そこから論理・連想・推測の組合わせにより新しい思索を行なうこと自体を楽しむことです。大学院で学び新しいものごとを見出したいという研究志望の若い人は元来この点は得意とするはずですが、理想に囚われたり視野狭窄に陥ったりして現実への適応が出来なくなったり、評論家・批評家的になってしまうこともままあります。生物学をはじめ実験科学ではここで、「自ら確かめる経験とその喜び」が重要となります。フランソワ・ジャコブがその著書「ハエ・マウス・ヒト」で言っているように、「実験は想像力の奔走を抑える」のです。実験科学の遂行には、綿密な計画、適切なサンプリング、確実な手技、そして結果という現実を正確に捉える目と分析する頭脳、の全てが要求されます。これらを滞りなく実行しその結果を得てまた次の手を考える、方針転換するかあるいは粘り強く挑むか、という様々な経験を積むこと自体が、仕事に要する時間や労力さらには専門性や伝統などに対する洞察を深める貴重な体験となります。またその過程で、多くの人が力を合わせることで良い仕事が成立するという、当たり前の事実も実感できると思います。さらに期待通りの結果が得られないという失望は忍耐強さと内省を、試行錯誤し思惑通りに達成できたという成功の喜びは自己肯定感を、それぞれ生み出すがために間違いなく人間的成長を生むでしょう。
そして3つ目の経験、「未知なるものを見出した際の感激と驚嘆」ですが、研究の現場でしか生み出し得ない、それまで誰も知らないような新しいデータを得たときの興奮や驚嘆、それに全く予期せぬデータに遭遇しその謎が解けた際に得られる感動は、何ものにも代え難いものです。大学院で学ぶ学生は、たとえそれが小さな発見であったとしても、自ら生み出したデータに感激し驚くという経験を積んで欲しいと思います。そして、その経験により自分自身のものの見方やそれまでの常識が変わることを、身をもって味わってもらいたいのです。これらの経験を真に得られれば、ものの見方、とらえ方がより柔軟かつ豊かとなるでしょう。そうすることで、現実を見据え伝統を大事にしつつも、未知なるものを志向し粘り強く理想を追求できるかもしれません。
当然、未知なるものに挑む基礎研究は道筋そのものが見えないため、失敗や挫折、回り道も多く時間もかかります。しかし、生き物と自然が秘める力の仕組みを科学の営みで解き明かすことは、上で述べたような理由から、私たち自身の、ものごとの見方や捉え方を間違いなく拡げてくれるでしょう。さらにそこから、暮らしや医療を支える新しい発明や創造の種も生まれてくるはずです。幸い、北海道大学そして低温科学研究所は、地球科学・物理学・化学・生物学をはじめ多岐に渡る学問分野から成る研究者により構成されており、専門分野以外の科学全域に対する興味や問題意識も、求めれば得ることが可能な環境といえます。開拓精神が根付く北の大地で、冬眠そして生き物の神秘に挑戦してみたい方は、ぜひご連絡ください。
研究室での日常
実際の研究遂行にあたっては、研究方針のディスカッションは当研究室の教員スタッフ(山口・曽根・山内)と、実際の実験指導は教員スタッフに加えて技術スタッフ(山下・延寿・曽根)、大学院生の先輩方など、ラボメンバーが必要に応じて行う態勢です。
・実験(毎日、週末は各自の判断で)
・プログレスレポート(研究進捗報告会、週1回)
・ジャーナルクラブ(論文読み会、週1回)
・教科書輪読会(時期に応じで行なっています。他教室等と合同、週1回)
・毎週の動物のお世話(ケージ交換作業など。少額ですがアルバイト代が出ます)
・英会話(希望者、外国人講師との個別レッスン、月2回程度)
Last update: 2024.9.26 現在の情報