オホーツク海南部(北緯48度以南)の海氷面積の予測モデル
(Updated Thu Dec 20 2012)


別ページでは、オホーツク海全域での海氷面積が最大になる2-3月の面積(最大海氷面積)の予測を行っている。 最大(2-3月)海氷面積は、10-11月のオホーツク海の風上の気温と,11月のオホーツク海へ流入する太平洋水の水温で概ね決まっており、それらを用いることで12月初旬の時点(2-3ヶ月前)で予報可能となる。しかし、北海道オホーツク沿岸域における海氷面積が、オホーツク全域での最大海氷面積と同様な変動をするとは限らない。風と東樺太海流による漂流が重要となる北海道・サハリン沖での海氷の予測は簡単ではない。

今までの研究によると、12月初旬の時点で、オホーツク海南部域の2-3月の海氷面積を予測するとすると、10-11月のオホーツク海の風上の気温を用いるのが最もよいことがわかっている。具体的には、10‐11月のオホーツク海の風上・北西部の熱条件(NCEPによる850hPaの気温)を変数として、回帰式を用いて海氷面積の予測モデルを作る。

図1は、この予測モデルを用いたオホーツク海南部域(北緯48度以南)での2-3月の海氷面積と、実際の観測値を過去32年間で比較したものである。予測モデルと観測値の相関係数は0.58で、最大海氷面積の場合(オホーツク海の最大海氷面積の予測モデルを参考)の0.84という精度に比べると、高くはない。南部域に限った予測でも、今冬の海氷面積はかなり小さいという予測になる。

図1: 1979年から2011年での、オホーツク海南部域(北緯48度以内)の2-3月の海氷面積の実測値(青色棒)と回帰モデルによる予測値(黒色四角)。予測値にプロットされているエラーバー(縦線)は予測精度の誤差(観測された海氷面積と予測された海氷面積の差の2標準偏差)を示す。黄色の横線は海氷面積の気候値(平均値)。2012年の予測値を赤四角で示している。

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