共同研究報告書
| 研究区分 | 一般研究 |
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研究課題 |
有機低分子化合物の結晶成長に伴う結晶多形の相転移観察 |
| 新規・継続の別 | 新規 |
| 研究代表者/所属 | 奈良先端大物質 |
| 研究代表者/職名 | 助教 |
| 研究代表者/氏名 | 釣優香 |
| 研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
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氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
木村勇気 | 北大低温研 | |
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2 |
山崎智也 | 北大低温研 | |
| 研究目的 | 本研究では、有機低分子化合物の結晶化過程で発生する結晶多形間の相転移に着目し、成長中に生じる相転移機構の解明を目的とした。相転移は、結晶多形を有する氷を含めたすべての化合物において起こり得る現象である。一方で、その現象は複雑であり、相転移のきっかけや、いつ・どこから相転移が進行するのかについては明らかにできていない。そこで本研究では、この物理現象を解明するために、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、相転移現象の解明に向けた実験に取り組んだ。 |
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| 研究内容・成果 | 医薬品産業などにおいて結晶化は、構造や機能の解析のために重要なプロセスとなっている。例えば、多くの有機化合物は結晶多形を有し、多形によって物理化学特性が異なるため、存在するすべての多形を結晶化制御することが必須となっている。一方で、不安定な相である準安定形は、核形成に成功しても安定形へと相転移してしまうことがあるため、一般的に結晶化制御は困難である。本研究で試料として用いたアスピリンは、解熱鎮痛剤として広く用いられている有機化合物であり、安定形の結晶構造と酷似した構造を持つ準安定形を有している。これまで、アスピリン準安定形の結晶化制御に取り組み、準安定形の結晶表面に安定形が成長するという、特徴的な相転移が進行することを示してきた。また、結晶成長中でのラマン分光測定や位相差顕微鏡下での表面観観察及び、令和5年度北海道大学低温科学研究所共同研究において実施した干渉測定法を用いた相転移現象に伴う濃度変化の可視化によって、成長過程において核形成した準安定形に対して安定形が成長し、結晶表面では安定形の成長と準安定形の溶解が同時に起こりながら進行していることを見出してきた。一方で、相転移現象のきっかけや起点については未だ明らかにできていない。 そこで、このような相転移がどのように生じるかを明らかにするために、TEMを用いたその場観察を目指し、本年度は初期検討として、溶液を蒸発して作製した乾燥したアスピリン結晶のTEM観察を実施した。その結果、異なる方位からアスピリン結晶由来と考えられるいくつかの回折パターンを観測することができた。観察できた回折パターンとシミュレーションの比較により、多形観察に適した方位を同定することが期待できる。また、溶液中での観察を目指し、観察用セルに溶液を準備できた一方で、溶液の冷却のみでは結晶作製が困難であることが分かり、本年度は溶液中での結晶の観察には至らなかった。電子線照射によって結晶化が困難となった可能性がある。そのため来年度には本研究を継続し、低過飽和な溶液に種結晶を加え、その様子をTEMで観察し、電子線下で成長するのかどうかを観察する。成長のその場観察が実現できれば、相転移のきっかけの解明につながり、温度などの成長環境の制御によって相転移の進行抑制し、準安定形の安定性の向上が期待できる。 |
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| 成果となる論文・学会発表等 | |