共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

引力系コロイド結晶の核生成・結晶成長過程のその場観察
新規・継続の別 継続(R06年度から)
研究代表者/所属 徳島大学大学院社会産業理工学研究部
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 鈴木良尚

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

佐藤正英 金沢大学学術メディア創成センター 教授

2

勝野弘康 金沢大学学術メディア創成センター 准教授

3

Olivier Pierre-Louis Institut Lumiere Matiere, CNRS, France 教授

4

佐崎元 北大低温研

研究目的 粒径数100 nmの粒子の規則配列である引力系コロイド結晶は,光学顕微鏡で粒子一つが分解でき,高速度カメラを使用することによって,結晶化粒子の動的挙動を捉えるのに十分な時間分解能を確保することが可能である。
本申請では,引力系コロイド結晶の核生成について、臨界核付近および少数粒子からなる粒子集合体(クラスタ)の形成プロセスのリアルタイム計測とその画像処理による詳細解析を実施する。また,計算機実験を並行して実施し,理論と実験の直接的な比較考察を目指すことを目的とした。このような研究は,氷の擬似液体層形成や二次元核生成プロセスの詳細な解明に対し,より一般的な描像を与える可能性が高いと考えている。
  
研究内容・成果 2024年度中に、二次元コロイド結晶の臨界角付近のクラスタサイズの時間変化およびクラスタサイズの分布の2つから、臨界核の大きさを見積もったところ、両者が良く一致することを見出し、2025年3月にCrystEngCommに受理された[3]。それに並行して、佐藤はMorse potentialを用いたBrownian dynamics simulationを行い、実験で得られたクラスタ分布のスナップショットを再現性よく示したのみならず、3量体の形状についての分布も求め、勝野による実験データの物体検知による形状分布と良い一致を見た。これらの結果は2025年6月、CrystEngCommに受理された[2]。鈴木は、少粒子数クラスタとして、3量体に注目し、その形状分布についてアンサンブル平均と時間平均の結果がよく一致することを示した。また、重要な結果として、コンパクトなクラスタよりもそのうちの結合が一本切れることで生成するオープンな3量体の方が出現頻度が高く、Gibbs energy的に安定であることを示した[1]。
2026年度は、新たに徳島大学の佐藤玲央助教をメンバーに迎え、勝野を代表者として新たな切り口から核生成についての研究を深化させる。
  
成果となる論文・学会発表等 原著論文
[1](謝辞)Yoshihisa Suzuki, Hiroyasu Katsuno, Masahide Sato and Keigo Kishida. Stable non-compact prenucleation clusters of attractive colloidal crystals observed directly, CrystEngComm. 27, 5613-5617, 2025.
[2](謝辞)Masahide Sato, Hiroyasu Katsuno, Keigo Kishida and Yoshihisa Suzuki. Edge Free Energy of a 2D Colloidal Crystal Estimated From the Size Distribution of Small Clusters, CrystEngComm. 27, 4889-4895, 2025.
[3](謝辞)Yoshihisa Suzuki, Keigo Kishida, Hiroyasu Katsuno and Masahide Sato. Thermodynamic analyses of critical nuclei and crystallization entropy using size distributions of small clusters of two-dimensional colloidal crystals, CrystEngComm. 27, 2190-2194, 2025.