共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

雪氷面における水の相変化量を支配する気象学的要因の探究
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 信州大学
研究代表者/職名 特任助教
研究代表者/氏名 西村基志

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

鈴木啓助 信州大学 特任教授

2

的場澄人 北大低温研

研究目的 雪氷の質量収支を考えるうえで重要な要素の一つとして、積雪表面で起こる水の相変化(蒸発や凝結、昇華)がある。雪氷面からの昇華蒸発による質量損失はグリーンランドで最大でも年間100 mm w.e.にも及ぶ報告もあり(Box and Steffen, 2001)、雪氷の維持機構を考える上で、この昇華蒸発量は無視されるべきではない過程である。
しかし、具体的に「どのような気候条件下の積雪でどのくらいの昇華凝結が起こっているのか」、といった気象条件の変化に伴う水の相変化量の変化は詳細な理解に至っていない。そこで本研究の目的は、北海道札幌の低温湿潤気候下における雪面からの昇華蒸発量を気象データから定量することとした。
  
研究内容・成果 北海道大学低温科学研究所の観測露場に設置されている超音波風速計(Campbell CSAT3B)で観測された既存データを用いて雪面の昇華蒸発量を計算した。その結果、2016–2020年にかけての11月から翌4月の4冬季の平均で12月から2月にはそれぞれ積算47.9, 35.9, 35.6 [mm w.e.]の蒸発が雪面から起こっていたことが分かった。また、気温が上昇する3月には99.2 mm w.e.の蒸発が起こっていた。このとおり、グリーンランドとは異なる気候下の札幌では冬季の3ヶ月だけでグリーンランド氷床の年間昇華蒸発量を超える蒸発量が確認されており、また、その量の気温依存性も大きいと予想される。
申請者がこれまで研究対象としてきた、中部山岳域、北海道帯広といった地域は札幌に比べて乾燥した大気条件下にある。それぞれ気候条件が異なるこれら3地点の気候条件および昇華蒸発量を比較、および、本研究で得られる結果を用いて、気候条件の違いや季節の変遷による気象条件の変化に伴って、消化蒸発量が如何なる変化を示すのか、をデータ解析により明らかにする予定である。
  
成果となる論文・学会発表等