共同研究報告書
| 研究区分 | 一般研究 |
|
研究課題 |
北海道の山岳凍土環境の把握 |
| 新規・継続の別 | 継続(R06年度から) |
| 研究代表者/所属 | 北大・北極域研究センター |
| 研究代表者/職名 | 特任教授 |
| 研究代表者/氏名 | 岩花 剛 |
| 研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
|
氏 名
|
所 属
|
職 名
|
|
|
1 |
曽根敏雄 | 氷河・雪氷圏環境研究舎 | 研究員 |
|
2 |
森 淳子 | 工学気象研究所 | 部長 |
|
3 |
横畠徳太 | 国立環境研 | 主幹研究員 |
|
4 |
白岩孝行 | 北大低温研 | |
|
5 |
森章一 | 北大低温研 | |
|
6 |
藤田和之 | 北大低温研 | |
| 研究目的 | 本研究は、温暖化による消失が予測される北海道の山岳永久凍土について、その分布実態と変動プロセス、山岳環境への影響を解明することを目的とした。具体的には、日高山脈における地温動態の解析を通じて永久凍土不在の要因を検証するとともに、大雪山系や羊蹄山を含む各山域での長期的な凍土監視体制を維持・拡充する。得られた地温情報から過去および将来の凍土形成環境を考察し、凍土分布と景観・生態系の相互作用の理解と変化予測に資するデータセットを構築する。 |
|
|
|
| 研究内容・成果 | 2024年7月に日高山脈・幌尻岳山頂部に設置した測温孔において永久凍土の存在を確認するための地温観測を1年以上継続することができた。その結果、本観測期間中では、冬期に6m深まで零度0℃以下となるものの季節的な凍土であった。10mの最深測温点では2年連続して、最高温度が約1. 5℃であった。こうした地温データを基に、日高山脈に永久凍土が存在できる条件を調べるために、さまざまな数値実験を行った。火山性堆積物を想定した土壌パラメータ(空隙率や透水係数など)を与え、風衝地を想定した積雪条件(デフォルトの条件と比べて積雪量を減らした条件)では、21世紀において永久凍土が存在しうることがわかった。この一方で、岩相を想定し土壌パラメータでは、20世紀においても永久凍土が存在できないことがわかった。今後、より日高山脈の環境に近いモデルパラメータを与えることで、永久凍土の存在可能性について検討する。 大雪山系の観測サイトでは、故障した測器の修復と交換作業を実施し、微気象データを継続的に取得する作業を行った。北大・北極域研究グループのPodolskiy准教授と低温研・箕輪助教の研究グループを新たに迎え、博士課程学生(Ms. Shu)の現地調査を実施した。この調査は、ジオフォンを用いた表層付近の地中における弾性波を記録し、凍結融解等の地中動態を把握する目的である。面的な融解深分布を融解深棒および地中レーダーを用いた測定を学生の参加を交えて実施した。これらのデータは現時点で解析中であるが、季節的に凍結と融解を繰り返す活動層の水分分布、凍結破砕などの現象に対する新たな知見が得られることが期待される。また、分担者森と曽根が中心となり、大雪山系山頂部における気温の長期変動についての解析を開始した。これまで20年以上の複数点における現地観測と札幌気象台の高層気温やアメダス、再解析データとの相関関係を調べた結果、上川町など、近隣のアメダス気温より札幌における高層気温と山頂部気温の相関が高いことが分かった。 羊蹄山の山頂部では、低温研の修士学生(渡辺)が課題とする永久凍土探索を実施した。分担者の白岩および曽根が継続的に実施している地表面および地温観測地点では、永久凍土は確認されておらず、季節凍土の分布のみである。今年度は、これらの地温分布と地形を考慮して、永久凍土分布の可能性があるエリアにおいて電気探査を実施した。その結果、最も期待された場所においても永久凍土が存在する可能性は低いと考えられた。 |
|
|
|
| 成果となる論文・学会発表等 | 横畠徳太・岩花剛(2025),「日高山脈で永久凍土を探す」,国立環境研究所 国環研View DEEP(2025年1月22日版)https://www.nies.go.jp/kokkanken_view/deep/column-20250122.html (2025年12月23日閲覧) |