共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

 海洋数値モデル研究の俯瞰と新展開の探索
新規・継続の別 新規
研究代表者／所属 京都大学大学院理学研究所
研究代表者／職名 教授
研究代表者／氏名 吉川裕

研究分担者／氏名／所属／職名
　
氏　　名
所　　属
職　　名

1

 宮澤泰正 海洋研究開発機構 上席研究員

2

 美山透 海洋研究開発機構 主任研究員

3

 野中正見 海洋研究開発機構 主任研究員

4

 張育綾 海洋研究開発機構 副主任研究員

5

 早稲田卓爾 東大新領域創成科学 教授

6

 小平翼 東大新領域創成科学 講師

7

 木田新一郎 九大応力研 准教授

8

 大貫陽平 九大応力研 助教

9

 松田拓朗 北大地球環境 助教

10

 藤原泰 神戸大海事科学 助教

11

 牛島悠介 気象業務支援センター 研究員

12

 三寺史夫 北大低温研

13

 中村知裕 北大低温研

研究集会開催期間 令和 7 年 1 月 24 日 〜 令和 7 年 1 月 24 日
研究目的 海洋現象を計算機を用いて疑似的に再現する海洋数値モデルは、海に関わる様々な社会的・科学的な問題の定量評価および適応策検討に不可欠な道具である。そのような海洋モデルには、例えば、海洋の大規模な現象を扱う海洋大循環モデル、小規模な乱流を扱う非静力学モデル、波浪を扱う波浪モデルや、大気モデルを組み合わせた結合モデル、河川水と組み合わせた陸域海洋モデルなどがある。本研究集会では、このような様々な数値モデルを扱う研究者が集い、最新のモデル研究の成果を共有することで現状を俯瞰するとともに、今後のモデル進展の種を探索する場を作り、海洋数値モデル研究の発展と同コミュニティの形成・育成を目指す。
集合写真　　
研究内容・成果 6月の17日から20日までの4日間、低温科学研究所の講堂にて、研究代表者の吉川および世話人の三寺教授、協力者の宮沢博士や張博士、小平博士が委員を務める国際ワークショップThe 14th International Workshop of Modeling Ocean（IWMO）として研究集会を開催した。このワークショップは2009年より（コロナ禍を除いて）毎年開催されており、今回は日本で2回めの開催であった。第14回の今ワークショップでは、日本に加えて米国や欧州、ブラジル、中国や韓国など東アジアの国から75人程度が参加し、新しい海洋モデルの開発や既存の海洋モデルの新たな活用、今後の開発・活用に向けた議論の提示などが行われた。一つの部屋に全員が集まって4日間に渡って全ての講演（73件）を聴講し議論するというスタイルで行われた。このため参加者はすぐに顔見知りとなり、交流が活発になった。若い院生やポスドクも多く、彼らの国際的なネットワークの構築にも大きく貢献したものと思われる。IWMOの委員が選考委員となる若手優秀発表賞は、香港・韓国・日本の3人が選ばれた。日本からの発表はおよそ半分程度あり、この共同利用研究の研究協力者も、早稲田教授が南極域での波浪、木田准教授が陸域海洋モデル、松村助教が海洋ラグランジアンモデル、宮沢博士がデータ同化についての基調講演を行うなど、IMWOの価値を高めると同時に、日本の研究レベルの高さを海外の研究者に示す結果となった。今回のIWMOを実施するにあたり、世話人の三寺教授には大変お世話になりました。また中村講師と松田助教にはLOCとしてご活躍いただきました。優秀な事務職員のサポートもあり、IWMOを成功させることができました。北大低温研の共同利用の枠組みを活用して、このような国際ワークショップを成功のうちに開催できたこと、深く感謝申し上げます。
集合写真　　
研究集会参加人数 75 人