共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

過去2000年間の北極海古環境
新規・継続の別 継続(R05年度から)
研究代表者/所属 北海道大学大学院地球環境科学研究院
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 山本正伸

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

岩崎晋弥 北海道大学大学院地球環境科学研究院 助教

2

入野智久 北海道大学大学院地球環境科学研究院 准教授

3

新井正矩 北海道大学大学院地球環境科学院 修士院生

4

坂岡耕太 北海道大学大学院地球環境科学院 修士院生

5

鈴木健太 千葉工業大学地球学研究センター 研究員

6

清家弘治 産業技術総合研究所 主任研究員

7

村山雅史 高知大学教育研究部 教授

8

山本裕二 高知大学教育研究部 教授

9

岩井雅夫 高知大学教育研究部 教授

10

堀川恵司 富山大学学術研究部 教授

11

山田桂 信州大学学術研究院 教授

12

Richard Jordan 山形大学理学部 教授

13

安藤卓人 秋田大学 助教

14

小野寺丈尚太郎 海洋研究開発機構 主任研究員

15

加三千宣 愛媛大学沿岸海洋研究センター 准教授

16

永淵修 福岡工業大学 客員教授

17

中澤暦 富山県立大学 講師

18

長井敏 水産研究・教育機構 主幹技術員

19

関宰 北大低温研

研究集会開催期間 令和 7 年 7 月 8 日 〜 令和 7 年 7 月 9 日
研究目的 北極域研究加速プロジェクトでは,過去2000年間の西部北極海の環境変動を明らかにするために,海洋地球研究船「みらい」による北極海航海MR22-06C(完新世北極海調査航海HAPPI)を2022年8-9月に実施し,西部北極海の4地点で長尺海底コアを採取した.採取したコアは高知コアセンターと北海道大学で分取した後,国内外の研究機関に送付し,現在,分析が進められている.当該研究集会は,1)本研究の2年目の成果をメンバー間で共有し,3年目以降の研究の方向性を話し合うこと,2)メンバー外の関連する研究者との議論を通じて研究の質を向上させること,3)大学院生に発表の機会を与え,成長を促すことを目的とする.
  
研究内容・成果 ハイブリッドで実施した.国内から18名の参加があった.このうち学生は7名であった.2日間にわたる開催で,初日の午後に開始,2日目のお昼過ぎに
終了した.初日は各自の分析結果の報告,2日目は岩相の記載,年代モデル,物性に関するデータが報告された.得られた長尺コアは継続的に堆積した粘土質シルトからなり、0.17から0.74 cm y-1という非常に高い堆積速度を示すこと,Ca/TI比から中世温暖期以前では生物生産は20世紀後半並みに高かったこと,乾燥かさ密度とCa/Tiの変動は、〜20年、〜30年、50〜60年、100〜125年、200年、300年のサイクルを示しており、北太平洋の変動を反映していること,生物群集が1950年と1980年頃に大きくシフトし、太平洋種が増加したこと,バロー沖では,1950年ごろに砕屑物の堆積が活発になり,水銀と脂質同位体比から,砕屑物は凍土起源らしいこと,マッケンジー川沖では1800年以降,塩分が低下したこと,バロー沖では1950年以降に塩分が上昇したことが示された.
  
研究集会参加人数 18 人