共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

沿岸域の生物生産特性を制御する栄養物質のストイキオメトリーの新たな展開
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 金沢大学 環日本海域環境研究センター
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 長尾誠也

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

黒田 寛 水産研究・教育機構 主任研究員

2

松村義正 東京大学大気海洋研究所 助教

3

木田新一郎 九州大学・応力研 准教授

4

田中 潔 東京大学大気海洋研究所 准教授

5

中田聡史 国立環境研究所 主任研究員

6

大西健夫 岐阜大学 教授

7

山下洋平 北海道大学・地球環境 准教授

8

芳村 毅 北海道大学・水産 准教授

9

伊佐田智規 北海道大学・北方圏 准教授

10

白岩孝行 北大低温研

11

西岡 純 北大低温研

12

三寺史夫 北大低温研

13

江淵直人 北大低温研

14

白岩孝行 北大低温研

15

中村知裕 北大低温研

16

的場澄人 北大低温研

研究集会開催期間 令和 6 年 11 月 6 日 〜 令和 6 年 11 月 6 日
研究目的 海洋沿岸に付加される栄養塩や鉄などの元素の割合(以下、栄養物質ストイキオメトリー)は、沿岸域の生物生産特性を決定する重要な要因である。沿岸に流入する沖合の海水は、陸棚や湾内の堆積物での地球化学的なプロセスにより、それぞれ栄養物質ストイキオメトリーが大きな変化を受ける。異なる栄養物質ストイキオメトリーを持つ陸水および沖合海水の両者が混じり合うことで、沿岸域の栄養物質ストイキオメトリーが場所により大きく変動する。本研究集会では、北海道東域で実施している学際的な調査研究の結果を発表し、これまで明らかになった点と研究を行うべき課題点を整理し、今後の共同研究の方向性について議論する。
  
研究内容・成果 研究集会は令和6年11月6日(水)10:00〜16:00に北海道大学低温科学研究所の2F会議室で開催された。プログラムは以下に示す。

○白岩孝行(北大低温研)・雫田まき・竹内祥太(北大院環境)・中田聡史(国環研)
別寒辺牛川の懸濁粒子・CDOMの流出特性
○入野智久(北大地球環境)・中津裕也(北大院環境)・山下洋平(北大地球環境)・丸山亜伊莉・芦松(北大院環境)
厚岸湾堆積物中の難分解性有機物の起源と収支
○長尾誠也(金大環日)・藤田充司(金大院自然)・落合伸也(金大環日)
Rn-222を用いた七尾西湾における海底湧水の探索
○長尾誠也(金大環日)
陸と海との結合システム:北海道東域の厚岸と能登半島七尾湾での物質動態の共通性
○黒田寛・谷内由貴子・中野渡拓也(水産機構)
2024年秋季の道東陸棚域における前例のない海洋環境
○山下洋(北大地球環境)・西岡純(北大低温研)
腐植様溶存有機物を用いた沿岸親潮水の起源推定 (4)
○今井望百花(北大院環境)・村山愛子・小野和也(北大低温研)・鈴木光次(北大地球環境)・黒田寛(水産機構)・豊田威信・山下洋平(北大地球環境)・平譯享(北大水産)・大島慶一郎・西岡純(北大低温研)
南部オホーツク海における鉄の供給輸送過程と沿岸親潮域の繋がり
○中村知裕(北大低温研)・植田純生(北大院環境)・河野時廣(東海大学)・西岡純・伊藤薫・小野数也・村山愛子・三寺史央(北大低温研)
北海道オホーツク海陸棚の海底混合層・高濁度水とその行方
総合討論

総合討論では昨年度まで実施した開拓型共同研究課題を含めた道東での陸―海結合研究に関する課題点として、河口域、汽水湖と沿岸海洋での物質動態の精緻化が必要な点、陸起源懸濁粒子の沿岸沖合への移動性の追跡の必要性が明らかとなった。今後、どのように対応していくのか、将来の研究計画について意見交換が行われた。また、水塊流動特性を考慮した北海道東域での陸域と沿岸海洋と連携したこれまでの物質動態研究の取りまとめとして、日本海洋学会沿岸海洋研究会で出版している「沿岸海洋研究」誌で特別セッション「陸海結合システムによる沿岸域評価の検討」を申請して認められた。令和7年度夏季に出版予定で編集作業中である。
  
研究集会参加人数 12 人