共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

寒冷圏大気-海洋間の生物地球化学的相互作用に関する研究集会
新規・継続の別 継続(H30年度から)
研究代表者/所属 東京大学大気海洋研究所
研究代表者/職名 講師
研究代表者/氏名 栗栖美菜子

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

鈴木光次 北大院地球環境 教授

2

山下洋平 北大院地球環境 准教授

3

平譯 享 極地研 教授

4

野村大樹 北大北方生物圏フィールド科学センター 准教授

5

岩本洋子 広島大院統合生命科学研究科 准教授

6

濱崎恒二 東大大気海洋研 教授

7

高橋一生 東大院農 教授

8

小畑 元 東大大気海洋研 教授

9

伊藤彰記 海洋研究開発機構 主任研究員

10

金谷有剛 海洋研究開発機構 センター長

11

野口真希 海洋研究開発機構 主任研究員

12

長島佳菜 海洋研究開発機構 副主任研究員

13

安中さやか 東北大学 教授

14

遠藤寿 京大化学研 准教授

15

近藤能子 長崎大総合生産科学域 准教授

16

植松光夫 埼玉県環境科学国際センター 総長

17

宮崎雄三 北大低温研

18

西岡純 北大低温研

19

的場澄人 北大低温研

20

飯塚芳徳 北大低温研

研究集会開催期間 令和 6 年 8 月 1 日 〜 令和 6 年 8 月 2 日
研究目的 本研究集会では、気候変動に対する応答感度が高い寒冷圏における海洋混合・物質循環、動物・植物プランクトン・微生物増殖、揮発性有機化合物・海洋大気エアロゾル、海氷への大気成分沈着などを対象とする、海洋から大気に至る一連の研究者を集め、生物地球化学過程を軸に異なる分野の研究を包括的・有機的に議論した。国際コアプロジェクトである海洋・大気間の物質相互作用研究計画Surface Ocean-Lower Atmosphere Study(SOLAS)に関わる内容を含め、海洋-大気間の境界領域における生物地球化学的な相互作用の解明に向けた新たな研究プロジェクト等の計画立案に繋げることを主な目的とした。
  
研究内容・成果 本研究集会は2024年8月1-2日の2日間、対面を基本とし、一部ハイブリッド方式で開催された。発表件数は以下の14件、参加者数はオンサイト16名、オンライン5名で計21名であった。
・大気-海洋間の鉄循環、同位体(栗栖)
・波飛沫粒子(岩本)
・降雨と基礎生産の関係性(高橋)
・石英粒子を用いたSEM-CL分析法と応用(長島)
・ナミビアのエアロゾル鉄研究に関するプロジェクト(伊藤)
・海洋亜表層の生物地球化学パラメーター(安中)
・西部北太平洋へのアジア起源物質の生物地球化学的な影響評価(野口)
・Global Sulfur Capによる大気質の変化(山地、招待講演)
・海洋社会科学について(脇田、招待講演)
・エアロゾル中の水溶性熱性炭素(宮瀬)
・グリーンランドのエアロゾル中の有機物(宮崎)
・フロストフラワーの昇華SEMEDS分析(飯塚)
・アイスコア中の微量金属元素(田中)
・波の花の有機物・微生物動態(濱崎)

SOLAS、IGAC(地球大気化学国際協同研究計画)、GEOTRACES(海洋の微量元素・同位体による生物地球化学研究)、Bio-GEOSCAPES(海洋の生物代謝と栄養塩循環に関する研究)、CATCH(寒冷圏大気圏化学)、IMBER (海洋生物地球化学と生態系の統合研究)といった様々な異なる国際研究プロジェクトに関わる国内の研究者が一同に会し、大気-海洋間の生物地球化学過程に関してこれまで得られた成果・知見や関連する研究成果を抽出し、情報を有機的に議論することができた。
特に、今回は新たに社会科学系の研究者による講演を依頼し、本研究分野がどのように社会的な問題に関わっていくのか、どのようなアプローチをとるべきなのか、といったことも議論する機会となった。
また、総合討論では、2027-2029年度にかけての大型研究船を用いた研究航海の申請に向けて議論を行った。本研究集会に参加したメンバーを中心として、研究成果を今後どのように発展させていくか、焦点をどこにあてるか、といった議論を進めた。この議論をベースに今後さらなる連携が進むことが期待される。
  
研究集会参加人数 21 人