共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

雲微物理モデルにおける氷粒子光学特性テーブルの改良
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 北海道大学大学院理学研究院
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 佐藤陽祐

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

齊藤雅典 ワイオミング大学大気科学科 助教

2

川島正行 北大低温研

研究目的 本研究目的は、雲微物理モデルに最新の氷粒子の光学特性を導入し、かつ氷粒子の散乱理論や光学特性の理解の深化を促す事とする。本研究では、分担者であるワイオミング大学大気科学科助教授の齊藤雅典博士(以下、分担者)を、国際会議等で日本滞在中に北海道大学・低温研に招聘し、雲微物理モデルにおける氷粒子の光学特性テーブルの改良を実施し、氷粒子の光学特性についての最新の知見についての講演を依頼する。最新の氷粒子の光学特性テーブルの実装を目指した下準備として、まずは雲微物理モデルの構造とスキームを理解する。
  
研究内容・成果 2024年11月25日から27日にかけて分担者を招聘し、26日に氷粒子の光学特性についての最新の知見に関する講演(90分)を実施した。講演では基本的な一次散乱計算理論の紹介から、放射場に及ぼす影響、雲微物理とのつながり、さらには氷粒子散乱特性の応用した氷粒子のリモートセンシング研究まで幅広く紹介し、氷粒子の光学特性やその有用性についての理解の深化に努めた。参加者の多くが大学院生や早期キャリア研究者であり、活発な議論や質疑応答が行われた。分担者は、今後は航空機リモートセンシング観測を用いた混相雲の微物理の研究に従事するとも同時に紹介され、今後は混相雲の理解をテーマとした共同研究を継続していくことを確認した。
加えて、研究代表者から分担者へ雲微物理モデルが含まれるSCALE(Scalable Computing for Advanced Library Environment)に関する説明と、SCALEの使い方やコードの構造などについての情報共有を実施し、滞在期間中に分担者がSCALEを分担者の所属機関で利用する計算機で走らせ、雲場の生成実験まで行えるようになった。今後は、SCALEの放射伝達計算コードMSTRN Xの光学テーブルに分担者が開発した最新の氷粒子テーブルを実装する。最終的には、最新の氷粒子の光学特性テーブルを実装した雲微物理モデルと従来のもので氷晶雲が存在する条件で放射場の計算を行い、氷粒子の光学特性が放射場に及ぼす影響を調べる。
  
成果となる論文・学会発表等 なし