共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

南大洋と北太平洋における微量元素循環とm-CDR(二酸化炭素隔離)に関する共同研究
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 北大低温研
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 西岡純

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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Michael Joseph Ellwood Australian National University Professor, ANU academic

研究目的 Australian National Universityでは南大洋を対象にした鉄の循環に関する研究を進めている。北海道大学低温科学研究所では、北太平洋亜寒帯域における鉄循環の研究を進めており、両海域の観測結果を共同で取りまとめることは地球規模の海洋鉄循環像を構築することにつながる。海洋に鉄を人為的に供給し二酸化炭素隔離する概念が考えられているが、その影響を正確に把握する必要がある。本共同研究では、2025年1月にPro. Michael Joseph Ellwoodが札幌の低温科学研究所に来所し、受け入れ教員の西岡教授と南大洋および北太平洋の鉄のデータセット構築し、m-CDRの実現性に関する議論を行い、その取りまとめを実施する。
  
研究内容・成果 R7年1月21日に北海道大学低温科学研究所にて,Australian National UniversityのMicheal Ellwood博士,National Taiwan Ocean UniversityのShunyan Cheung博士を迎え,南大洋と北太平洋の鉄循環の相違についての専門的な知見からの最新の情報交換と,両海域において海洋に鉄を人為的に供給し二酸化炭素隔離する方策の効果や影響などについて話し合いが行われた。また,現在両海域で得られている知見を整理し,今後数値モデルに反映させるべきプロセスやその手法について検討が行われた。
さらに下記の2件の一般向けの講演を行い,学生や本田技術研究所などの民間の研究者も巻き込んだ議論を行った。

Shunyan Cheung, National Taiwan Ocean University
Biogeography and evolutionary history of nitrogen-fixing organelles (nitroplasts) in marine algae

Michael Ellwood, Australian National University
Iron Cycling in the Southern Ocean: Insights from two GEOTRACES Process Study Voyages.

これらの講演の後,今後の鉄などの微量栄養元素の観測に関わる残された課題や,海洋二酸化炭素隔離の利点・問題点などについて,様々な角度からの議論が実施され,次に取り組むべき課題が抽出された。


  
成果となる論文・学会発表等