共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
低温環境におけるC4種Flaveriaの光化学系IIの光防御機構の解明 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 関西学院大学 生命環境学部 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 宗景ゆり |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
田中亮一 | 北大低温研 | 教授 |
2 |
石崎亜衣 | 関西大学大学 | 修士2年 |
3 |
伊藤匠 | 関西大学大学 | 修士2年 |
4 |
中村明日香 | 関西大学大学 | 修士2年 |
5 |
藤木海舟 | 関西大学大学 | 修士1年 |
研究目的 | 光阻害は、低温などの環境で光合成能が低下することにより、余剰の光エネルギーが活性酸素の生成し、特に光化学系IIが障害や光化学系IIの再構築の活性も障害を受けることで、活性型の光化学系IIの量が減少する現象である。この光阻害は寒冷圏においては特に大きな問題であり、光合成生物はそれに対する防御機構を備えているが、そのメカニズムは未解明な部分が多い。本研究では、低温環境における光化学系IIの光防御機構を解析し、寒冷生物圏における低温環境への植物の適応機能の解明を目指す。 |
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研究内容・成果 | 2024年10月22日〜24日の3日間、分担者である4名の大学院生が北海道大学低温科学研究所において生物適応学研究室の田中亮一教授、高林厚史助教授、伊藤寿助教授に実験技術をご教示いただいた。 1) 葉緑体包膜の画分および葉緑体チラコイド膜の構造による分画方法:ホウレンソウからの無傷葉緑体を単離し、スクロースグラジエントを使って超遠心により葉緑体包膜を分画した。また、シロイヌナズナの葉サンプルから無傷のチラコイド膜を単離し、超遠心によって葉緑体の3つの構造ストロマラメラ、グラナマージン、グラナスタックを含む画分を分離した。 2) 葉緑体チラコイド膜に含まれるタンパク質複合体を分離する手法(CN-PAGE):野外サンプルを含めた非モデル生物の葉緑体チラコイド膜タンパク質の可溶化に適した条件でタンパク質抽出を行った。タンパク質複合体の分離の際に用いるグラジエントゲルの作成を行った。 3)系統樹の作成方法:研究対象とした実際のアミノ酸配列を用いて、系統樹解析に必要なソフト(Miniconda・Clipkit・Figtree)のPCへの導入、外部サーバー(MAFFT・IQTree)を用いた分析を行い、系統樹として出力した。出力された図の評価、タンパク質の立体構造の解析についてWebツールであるAlphafold3および解析ソフトPymolの両方を用いて解析を行った。 参加した4名の学生からは、教授いただいた実験技術のほかにもさまざまな実験のコツについて助言もいただき非常に有意義な共同研究であったと報告を受けた。学んだ技術について、研究室でミニセミナーを行い、技術の確立に取り組んでいる。 |
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成果となる論文・学会発表等 | なし |