共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系に関する研究集会 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 北大低温研 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 力石嘉人 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
桑田晃 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 主幹研究員 |
2 |
宮本洋臣 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 主任研究員 |
3 |
冨樫博幸 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 主任研究員 |
4 |
児玉武稔 | 東京大学 大学院農学生命科学研究科 | 准教授 |
5 |
山口珠葉 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 主任研究員 |
6 |
久保田洋 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 副部長 |
7 |
冨士泰期 | 水産研究・教育機構 水産資源研究所 | 主任研究員 |
8 |
相田真希 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 | グループリーダー |
9 |
米田道夫 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 | 主任研究員 |
10 |
石井励一郎 | 総合地球環境学研究所 | 准教授 |
11 |
小濱剛 | 千葉科学大学 | 准教授 |
12 |
山本俊政 | 岡山理科大学 | 准教授 |
13 |
山口太一 | 岡山理科大学 | 助教 |
14 |
力石嘉人 | 北大低温研 | |
15 |
滝沢侑子 | 北大低温研 |
研究集会開催期間 | 令和 5 年 10 月 4 日 〜 令和 5 年 10 月 4 日 |
研究目的 | 低温研・同位体物質循環分野では,亜熱帯〜亜寒帯を模した環境での海洋生物の飼育法を確立し,温度や塩分濃度の変化がもたらす生物の生理学的な応答が,どのような有機化合物のどの元素の安定同位体比に記録されているのかなどについての研究を行ってきた。また一般共同研究を通じて,水棲生物の飼育技術に関する共同研究,北太平洋移行領域で採取された動物プランクトン,魚類等の安定同位体比分析を実施し,様々な知見を得てきた。そこで令和5年度の研究集会を開催し,「北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系」を理解するうえでの課題,開発すべき技術,推進すべき共同研究のアイデアなどを議論する。 |
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研究内容・成果 | 日本の東側の北緯40度付近に帯状に広がる北太平洋移行領域では,黒潮(高温・高塩分・貧栄養)と親潮(低温・低塩分・富栄養)およびそれぞれの続流からの水が混合した水塊が形成されている。この領域は,亜寒帯海域にもかかわらず南からの熱供給により比較的暖かく,また北からの豊富な栄養塩が運ばれるため,領域全体としてみれば,豊かな海洋生態系が形成される条件が整っており,実際に,サンマなどに代表される様々な魚種の漁場となっている。しかし,この領域は,太平洋赤道域のエルニーニョ・ラニーニャ現象や,地球温暖化に伴う海洋環境の変化の影響を受けやすく,領域の内部では,暖かい黒潮と冷たい親潮とが異なる割合で混合してできた著しく不均一な水塊が,時空間的に移動し,物質循環と生態系構造(捕食–被食,競合などの生物間相互作用)に非常に大きな変化をもたらす(それは,特定の魚種の豊漁・不漁などの原因になっていると考えられている)。このため,「北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系」の理解は簡単ではなく,学際的な研究や,新しい技術(化学的な分析法)の導入などが求められている。 本研究集会では,各々の研究の取り組みや得られた最新の結果を持ちより,「北太平洋移行領域の物質循環と海洋生態系」を理解するうえでの課題,開発すべき技術,推進すべき共同研究のアイデアなどを共有した。 研究集会のプログラムは,以下の通りである。 13:40-14:05 大下 誠二(水産研究教育機構水産資源研究所) 「北西太平洋の中層における炭素・窒素安定同位体比を用いたisoscapeの推定」 14:05-14:30 児玉 武稔(東京大学大学院農学生命科学研究科)冨士 泰期、宮本 洋臣、田和 篤史、佐藤 拓哉、高橋 一生 「粒子態有機物から得られた夏季北太平洋中緯度域の窒素・炭素安定同位体比の水平分布とその形成要因」 14:30-14:55 山口 珠葉(水産研究・教育機構 水産資源研究所) 「北太平洋移行域における海洋・基礎生産構造について」 15:10-15:35 宮本 洋臣(水産研究・教育機構 水産資源研究所) 「北太平洋移行域における動物プランクトンの炭素・窒素同位体比の地理変化」 15:35-16:00 冨士 泰期(水産研究・教育機構 水産資源研究所) 「サンマの安定同位体比から示唆される近年の摂餌環境の変化と魚体の小型化の関係」 16:00-16:25 大野 耀介(東京農工大学)◎梅澤 有、奥西 武、上村 泰洋、由上 龍嗣、由水 千景、陀安 一郎 「バルク・アミノ酸安定同位体比にもとづいた西部北太平洋におけるマイワシ・サバ類の 摂餌生態の年変動要因の解析」 16:40-17:05 力石 嘉人(北海道大学低温科学研究所) 「アミノ酸の安定同位体比にもとづく「生物のエネルギー消費量」の評価」 17:05-17:30 滝沢 侑子(北海道大学低温科学研究所) 「脂質消費量の定量的評価に向けた同位体技術開発 」 17:30-18:30 総合討論 |
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研究集会参加人数 | 16 人 |