共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
固有透過度と微細構造の測定による積雪の間隙特性に関する研究 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 防災科学技術研究所雪氷防災研究センター |
研究代表者/職名 | 特別研究員 |
研究代表者/氏名 | 荒川逸人 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
安達聖 | 防災科学技術研究所雪氷防災研究センター | 主任専門研究員 |
2 |
的場澄⼈ | 北大低温研 | 助教 |
研究目的 | 本研究の目的は、積雪の通気度測定とX線CTによる微細構造の解析により、積雪の間隙特性を明らかにすることである。積雪の間隙特性のモデル化は、融雪水の浸透現象や底面流出量の予測をおこなうことで、全層雪崩発生メカニズムの解明につながるだけでなく、融雪水の流出量は融雪出水予測の高精度化に繋がる。また、積雪3次元構造の情報については現地でその情報を得られる手段がないことから、積雪の間隙特性情報と3次元情報を組み合わせることで、現地での積雪3次元構造の情報推定方法へ発展させることを試みる。 |
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研究内容・成果 | 積雪の固有透過度は実験的に密度と平均粒径に関連づけられることが多く、これまでは主にしまり雪による関係式が使われてきた。最近の研究で雪質に依存しない関係式が実測から求められたが、関連する微細構造の解析が、薄片画像から統計的に3次元情報を推定するものであった。X線CTによる積雪の3次元計測が可能となった現在では、作成した薄片の断面位置が必ずしも積雪を代表しているとは言えなくなってきた。また、3次元構造モデルの数値解析からも雪質に依存しない関係式が得られているが、積雪の迂回率や有効間隙率といった間隙特性については明らかにされていない。 様々な積雪の間隙特性関係を明らかにする一環として、本共同研究では、北海道道東地域で観測されるしもざらめ雪を研究対象とし、現地積雪断面観測および雪試料採取をおこなった。観測場所は実験計画では千歳市周辺としていたが、しもざらめ雪が大きくは発達する陸別町、北見市、釧路市と変更した。しまり雪については本州でも観測が可能であることから観測対象から除外し、しもざらめ雪に重点を置いた。観測項目は、通常の積雪断面観測に加え、通気度の計測をおこなった。通気度はダルシー則に従い積雪内を通過する流量とその差圧により求められ、過去に測定したしもざらめ雪と比較して問題のない値を得ることができた。通気度は流体の特性を排除し固有透過度へ変換される。採取した積雪試料は1Brドデカンで固定し防災科学技術研究所に持ち帰った。低温室X線CTにて3次元構造を解析し、比表面積や粒子特性・間隙特性を求める予定である。 今後、これまで観測した様々な雪質とX線CTから求めた微細構造のデータを解析することで、3次元情報が組み込まれた固有透過度の関係式へと改良し、3次元構造解析技術を導入することで、これまであまり進んでいなかった積雪の間隙特性について整理し、更には不飽和流の研究を発展させるとともに、将来的には雪質の定量化=積雪の数値的分類に繋げる予定である。 |
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成果となる論文・学会発表等 |