共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
南大洋における生物生産・物質循環解明のための鉄観測実現に向けた研究集会 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 国立極地研究所 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 平譯享 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
田村岳史 | 国立極地研究所 | 准教授 |
2 |
真壁竜介 | 国立極地研究所 | 助教 |
3 |
平野大輔 | 国立極地研究所 | 助教 |
4 |
伊藤優人 | 国立極地研究所 | 特任研究員 |
5 |
杉江恒二 | JAMSTEC | 研究員 |
6 |
栗栖美菜子 | JAMSTEC | Young Res. Fellow |
7 |
漢那直也 | 東京大学大気海洋研究所 | 助教 |
8 |
塩崎拓平 | 東京大学大気海洋研究所 | 准教授 |
9 |
野村大樹 | 北大北方生物圏フィールド科学センター | 准教授 |
10 |
西岡純 | 北大低温研 | 教授 |
研究集会開催期間 | 令和 4 年 6 月 1 日 〜 令和 4 年 6 月 1 日 |
研究目的 | 南大洋では、微量元素の一つである「鉄」の不足が植物プランクトン増殖の制限要因となっている。近年、南大洋における鉄供給源として、沖合起源の比較的温暖な海水が陸棚と接した後に浮上した海水や、棚氷融解水が注目されている。そのメカニズム解明に向け、令和4年度以降の日本南極地域観測隊(JARE)で実施される予定であるが、海水中の鉄の観測にはクリーン技術を用いた特殊な採水手法が必須であるため、過去のJAREでは鉄観測を実施できていなかった。そこで、本研究集会では、JAREで用いる「しらせ」や「海鷹丸」による鉄関連研究の方向性と、観測実現のための方策の議論を目的とした。 |
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研究内容・成果 | 本研究集会は6月1日(水)9:00〜16:00にハイブリッド形式で実施した。7名は対面、4名はオンラインで参加した。 趣旨説明の後、鉄観測の理解を深めるべく、低温科学研究所の西岡教授より、海水中の鉄観測の手順や設備および必要な要素や困難さについて、過去の鉄観測例も混じえて紹介頂いた。その後、「しらせ」や「海鷹丸」で鉄観測を実施する意義や観測計画、実現可能性について議論した。また、低温研で実際に鉄の分析を行っている実験室や機材を見学し、鉄観測を専門としない研究者も、高度なクリーン技術や船上でその技術を展開する難しさを理解した。さらに、事前に調査した両船の観測環境や、それに基づくクリーン採水方法についても議論を行い、この研究集会後に実施された両船の訓練航海の準備と観測に反映された。今後5年間のJAREにおける鉄観測実施予定も整理した。今後も観測試験や観測の詳細検討および技術的改良を必要とするが、今回の研究集会における議論によりJAREにおける鉄観測の実現性が高くなったと考えられる。研究集会の最後には、今年度の訓練航海やJAREにおける観測結果を踏まえ、次年度も本研究集会を開催し、より実現性を高める必要があるとの結論に至った。 尚、議事次第は以下の通りである。 09:00-09:10 趣旨説明(平譯・西岡) 09:10-09:30 海水中の鉄を測定する上で必要な要素についての説明(西岡) 09:30-11:20 「しらせ」での鉄観測内容と実現可能性 (真壁、伊藤、平野、杉江) 11:20-12:00 観測手法(アイスフェンス、ワイヤ、コンテナ等)(小野) 12:00-13:30 昼食+コンテナおよびクリーンルーム見学 13:30-15:30 「海鷹丸」での鉄観測内容と実現可能性(杉江、漢那、栗栖、塩崎) 15:30-16:00 鉄研究者が主体となる研究内容に関する議論 |
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研究集会参加人数 | 11 人 |