共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
南極の海氷および氷河の融解が海洋炭酸系に与える影響の評価 |
新規・継続の別 | 継続(R02年度から) |
研究代表者/所属 | 北大北方生物圏フィールド科学センター |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 野村大樹 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
平野大輔 | 極地研 | 助教 |
2 |
戸澤愛美 | 北大水産 | 大学院生 |
3 |
青木茂 | 北大低温研 | 准教授 |
研究目的 | 南極海は、人為起源の二酸化炭素をはじめとする大気中の二酸化炭素重要な吸収源であり、全球規模の炭素循環において大きな役割を担っている。近年、地球温暖化に伴い氷河や海氷などの雪氷の融解が起きている。その影響により大量の淡水が海洋に供給されている。本研究では、これまで東南極で得られたデータを使用し、東南極の海氷および氷河の融解による物理場の変化が海洋炭酸系に与える影響の評価することを目的とした。また、第61次日本南極地域観測で採取したサンプルの分析および解析を実施し、南極海の沿岸から沖合まで広範囲に網羅したデータを用い解析を進めることで新規性に富んだ研究となる。 |
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研究内容・成果 | 第4次航海(第10次南極海調査)「南極海東インド洋区におけるナンキョクオキアミを中心とした生態系総合調査」の一環として、平成30年度12ー3月に開洋丸による海洋観測で得られた観測データを用い、解析を進めた。サンプルは鉛直的な採水、船底ポンプ採水で得られたものを使用した。分析項目は、溶存無機炭素濃度、アルカリ度、栄養塩濃度、クロロフィルa濃度、酸素安定同位体比、海洋表層二酸化炭素分圧である。また、第61次日本南極地域観測の一環として、令和2年3月に東南極において、砕氷艦しらせによる海洋観測で得たサンプルを分析し、データ解析を進めた。特にトッテン棚氷付近で採取したデータに注目した。上記2航海の物理、化学データを用い、解析を進めた。また、北大水産の大学院生も本共同研究に加わることによって、普段、北大水産では得ることができない極域海洋物理学に関して助言や指導を受けることができた。さらに、4人体制で研究を各自進め、進展状況の報告、議論、教育交流を実施することができた。 |
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成果となる論文・学会発表等 |
Aoki, S., Hirano, D., Nomura, D., et al. (Submitted). Distribution of stable oxygen isotope in seawater and implication on freshwater cycle off the coast from Wilkes to George V Land, East Antarctica. Progress in Oceanography. Tozawa, M., Nomura, D., Hirano, D., Aoki, S., et al. (Submitted). Oceanographic factors determining the distribution of nutrients and primary production in the subpolar Southern Ocean. Progress in Oceanography. Nomura, D., Aoki, S., et al. (Accepted). Biogeochemical characteristics of brash sea ice and icebergs during summer and autumn in the Indian sector of the Southern Ocean. Progress in Oceanography. Tamura, T. P., Nomura, D., Hirano, D., Aoki, S. et al. (2022). Impacts of basal melting of the Totten Ice Shelf and biological productivity on marine biogeochemical components in Sabrina Coast, East Antarctica. Global Biogeochemical Cycles. https://doi.org/10.1029/2022GB007510. |