共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

氷・水・クラスレートの物理化学に関する研究集会
新規・継続の別 継続(H31年度から)
研究代表者/所属 北大 工学研究院
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 内田努

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

飯高敏晃 理化学研究所 先任研究員

2

鈴木芳治 物質・材料研究機構 主幹研究員

3

竹中規訓 大阪府立大工学部 教授

4

堀彰 北見工大 准教授

5

松本正和 岡山大理学部 准教授

6

佐々木重雄 岐阜大工学部 教授

7

小松一生 東大理学部 准教授

8

岡田哲男 東工大理学院 教授

9

八久保晶弘 北見工大 教授

研究集会開催期間 令和 3 年 12 月 6 日 〜 令和 3 年 12 月 7 日
研究目的 水(H2O)は地球上に最も多く存在し、様々な物質に含まれている基本的な成分であるため、その物理化学的性質は様々な現象の基礎となっている。にもかかわらず、H2Oを単独に扱う学会や研究集会などがほとんどないのが現状である。従ってH2O分子に関わる研究者は、それぞれ異なった分野に散在しており、所属学会も異なるため研究者間で情報交流できる機会は非常に少ない。そこで本研究集会では、氷、水、クラスレート水和物及びその基礎となるH2Oの物性を明らかにするため、所属学会や基盤となる学問分野を越えて情報交流を行い、研究者間のネットワークを構築するとともに、その根底をなすサイエンスを議論することを目的とする。
  
研究内容・成果 研究集会「H2Oを科学する・2021」は、平成22〜24年度の萌芽研究を機に設立された氷科学研究会が中心となり、異分野でH2Oという分子に関わった研究を進めている研究者の情報交流を目的に開催された。オンライン開催にもかかわらず、水、氷、クラスレートなどH2Oの科学に関する27件の口頭発表が行われ、活発な議論がなされた。発表者は大学学部生から企業や国立研究機関の研究者、名誉教授まで幅広く、今年は高校生による発表も行われた。発表内容も以下に示す通り、実験から計算化学まで様々なアプローチによる最先端の内容が多く、参加した研究者間での新たな研究協力関係も形成された。参加者ものべ90名を超えた。
(プログラム)
氷の気相成長により氷内へ埋没する塩酸液滴(長嶋剣・北大)
氷結晶プリズム面の単位ステップの成長カイネティクス(宮本玄樹・北大)
XRFによる凍結溶液のその場測定:鉄水酸化物への金属イオンの吸着(岡田哲男・東工大)
氷のpH緩衝能(片岡俊・東工大)
氷中の過酸化水素と臭化物イオンの反応(竹中規訓・大阪府立大)
氷VII中の原子分布と局所構造について:高圧下での単結晶および粉末中性子回折による解析(山下恵史朗・東大)
アモルファス氷のトポロジー的解析(伊藤颯・東大)
Ice IVの結晶構造解析を目指して"(小林大輝・東大)
高圧氷VII相の弾性的性質への歪の影響(浅野雅人・岐阜大)
氷VIII相の原子振動計算(福井宏之・JASRI)
75-140 Kでの氷Ihへの紫外線照射による氷XIの生成(香内晃・北大)
氷の熱膨張率について(田中秀樹・豊田理研)
氷の異常な均質性とその起源(松本正和・岡山大)
X線回折法によるPoly (vinyl pyrrolidone)水溶液中の氷結晶構造の濃度ー冷却速度マップ(小田切李沙・東海大)
凍結したウシ血清アルブミン水溶液中の氷および不凍水の誘電緩和(塚原達也・東海大)
氷結したアラビアガム水溶液の誘電緩和(杉本博紀・東海大)
孤立空間に閉じ込められた水分子の電子状態(木内久雄・東大)
疎水表面に吸着した超微細水の電子状態の観測(亀田絢子・東大)
圧力変化によるトレハロース水溶液の可逆な液液転移(鈴木芳治・NIMS)
水溶液の凍結メカニズムおよび形成に関する研究(松尾碧大・立命館高)
界面緩慢前進凍結法によるウルトラファインバブル水の濃縮(寺坂宏一・慶応大)
ウルトラファインバブル水の氷核活性とポリフェノール化合物の拮抗作用(内田努・北大)
氷点下における一酸化炭素を含むガスハイドレートの分解挙動(竹谷敏・AIST)
TBAB過冷却水溶液中の構造観察(町田博宣・Panasonic)
TBABセミクラスレートハイドレートの電気化学インピーダンス測定(嶋田仁・阪大)
氷天体の氷地殻/内部海条件下におけるメタンハイドレートの同位体分別の評価(工藤久志・神戸大)
TBACセミクラスレートハイドレートの中性子小角散乱(星川晃範・茨城大)
  
研究集会参加人数 95 人