共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
北海道周辺海域における物理現象が海洋生物に及ぼす影響の解明 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 北海道大学水産科学研究院 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 笠井亮秀 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
中村知裕 | 北海道大学低温科学研究所 | 講師 |
研究目的 | 津軽海峡は多くのクロマグロを代表とする大型動物の通過点であり,また多くの海洋生物の成育場にもなっている。そのため,その詳細な物理構造の解明が求められている。しかし,流れが速く地形も複雑な津軽海峡においては,物理構造の時空間変動が激しいと予想されるが,その実態は明らかでない。詳細な観測を行うことは難しいうえ,これまでの数値モデルでは空間解像度が粗く,現実に即した物理構造を再現することが難しかった。本研究では近年気象庁が開発し運用を開始したJPNモデルを用いて,津軽海峡の詳細な流れ場を再現して,流動構造の特徴を捉えることを目的とした。 |
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研究内容・成果 | モデル概要:JPNモデルの出力結果を境界条件として,津軽海峡を含む139.75–142.00◦ E, 40.80–42.00◦ Nの範囲でFine Scaleモデルを作成した。格子間隔は1/231◦ × 1/350◦(約330m),鉛直方向は46層(最薄層厚は8m)である。また,開境界では主要8分潮を与えている。また海面の気象条件は,気象庁MSMモデル出力値を与えた。 結果:函館や下北における潮位の観測結果と本モデルの水位の変動はよく一致した。また,津軽海峡内外で観測された水温塩分のデータとモデルの結果も比較的よく一致した。よって,モデルの再現性は高いものと判断した。 潮汐に伴って,松前沖や大間沖でダイポールの形成と東方への伝播が観察された。これらは過去の研究でその存在が指摘されていたものの,詳細な実態までは明らかになっていなかった。また,汐首岬を境にその東西で水温や塩分が大きく異なっている様子も良く再現された。これらの再現された物理構造を用いて,今後は観測・観察された生物現象の説明やその変動要因の解明を行う。 |
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成果となる論文・学会発表等 |