共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

日本北方林における下層ササ菌根菌の共生メカニズムに関する研究
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 明治大学研究知財戦略機構
研究代表者/職名 博士研究員
研究代表者/氏名 孔嬖禾

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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原登志彦 北大低温研 特任教授

研究目的 ササは日本国内の森林で非常に広範囲に分布する林床植物であり、林床環境に対して非常に大きな影響力を持っている。ササが優位となる原因を追究したところ、特定の森林の林床にササが生育していると土壌菌群集構造に違いが生じることが判明し、ササが子嚢菌(Pezizomycetes)と共生関係にあることが示唆された。本研究では、普遍的にササがこの子嚢菌と共生しているのかを明らかにし、またその場合の機能ゲノミクスを明らかにすることを目的とする。
図1、林班別に乾燥した土壌仮比重の結果 図2、林班別に土壌湿度(%)結果 
研究内容・成果 研究内容
コロナの影響で緊急事態宣言を発令ともに、令和2年の共同研究の第一段階目の打ち合わせを2020年7月18日〜7月24日に実施した。打ち合わせの内容が以下となる:
(1) 雨竜研究林の樹木種と成長状況の確認
(2) ササ菌根の土壌を採取と運び用具の確認
(3) 雨竜研究林に出張のスケジュール

第二段階目の打ち合わせとして研究林の採土を2020年9月20日〜9月27日に実施した。雨竜研究林において、今年度降雪期の前に土壌のサンプリングを行った。ダケカンバ林(林班413)、ミズナラ林(林班407)、アカエゾマツ・トドマツ・イタヤカエデ混合林(林班406)において、林内のササ菌根の土壌を採取した。表層深度0-5cm土壌を採取し、2部を分けているサンプリングを合計48個再出した。これらは土壌の水分を測るために採土管で土壌を保存し、現地に液体窒素を運び、遠沈管の土壌サンプルを保存した。研究室に戻ったのちに、採土管で土壌が乾燥箱に入れ、2週間かけて水分の蒸発量と仮比重を測った。遠沈管の土壌ディープフリーザーで保存し、来年度はRNAの解析を行い、土壌RNAレベルで異なる森林におけるササの菌根菌の機能分析を実行する予定である。

今までの研究成果
ササにおける土壌水分と仮比重を測った結果により、混合林(plot406)の仮比重値が一番低いが、土壌水分量が他のササなしの樹木林の土壌と比較すると、大きな変化がないことを明らかにした。その理由は混合林におけるササ菌根がミズナラ林のより菌根量が大きいことが原因だと考えられる。他には混合林におけるササ菌根がミズナラ林のより菌根量が大きいことが原因だと考えられる。ササの菌根が成長は速く、混合林の表層土壌が土壌の多孔質の空間に独占していると考えられる。一方、ミズナラ林(plot407)の土壌水分量が一番高かった。ダケカンバ林内ササ有無(あり:plot413SI;なし:plot413SR)により、混合林とミズナラ林の土壌水分と仮比重に比べる結果が変化は少ないことを明らかにした。以上の土壌特性の実験結果により、異なる樹木種類にササにおける土壌の特性が大きく違うと考えられる。
図1、林班別に乾燥した土壌仮比重の結果 図2、林班別に土壌湿度(%)結果 
成果となる論文・学会発表等