共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

氷表面での特異なステップの振る舞いの解明―不純物の可能性―
新規・継続の別 継続(平成30年度から)
研究代表者/所属 金沢大学総合メディア基盤センター
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 佐藤正英

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

鈴木良尚 徳島大学理工 准教授

2

勝野弘康 立命館大学理工 助教

3

佐崎元 北大低温研

研究目的 佐崎教授らのグループは高解像度で氷表面のステップの挙動を調べており,氷表面においてはステップ間隔の揺らぎが極めて大きいことなどを指摘した。申請者は,この現象が不純物で説明できるのではないかと着想して,この申請を行っている。本申請では,佐崎らの観測と不純物効果の関連性について探る。不純物効果の可能性の有無を明らかにすることで,低温環境における気相からの氷の結晶成長におけるステップの挙動についての新たなる知見が得られると考えており,貴研究所の共同研究の公募の趣旨に適合していると考えている。
  
研究内容・成果 本研究は昨年度からの継続研究である。初年度には,拡散場を考慮した不純物によるステップ列の不安定性に関してこれまでの研究(M. Sato, J. Phys. Soc. Jpn., 86, (2017) Article ID: 114603)を発展させて,不純物の蒸発や吸着原子の蒸発があるときのステップの挙動について明らかにできた(M. Sato, Phys. Rev. E Vo.97, No.6 (2018) 062801)。この研究をもとに今年度は,不純物の表面拡散が加わると何が起きるのかを調べた。その結果,不純物の拡散があることによりステップ束からのステップの離脱・衝突が繰り返し起きることを明らかにした(M. Sato, J. Phys. Soc. Jpn., 88, (2019)114801)。
これにより,ステップが不純物によりバンチングを起こす場合にも,不純物の表面拡散の有無や蒸発の有無がどのようにステップ束のふるまいに差を生じさせるかを明らかにできた。

なお,今年度は3月末に佐崎教授を訪問し,これらの結果と実験結果の関連性について議論する予定であったが,新型コロナウィルスの影響で訪問を中止せざるを得なくなった。そのため,現状では実験とモデルの結果との関連性についてはまだ検討が不十分となってしまった。

  
成果となる論文・学会発表等 Masahide Sato, Effect of the Surface Diffusion and Evaporation of Impurities on Step Bunching Induced by Impurities, Journal of Physical Society of Japan 88, 114801 (2019). (10pages)

佐藤正英,第48回日本結晶成長国内会議, 不純物によるステップ束形成への不純物の表面拡散と蒸発の効果の相違