共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

 現在気候下におけるグリーンランド氷床質量変動メカニズム解明
新規・継続の別 継続（平成29年度から）
研究代表者／所属 気象研究所
研究代表者／職名 主任研究官
研究代表者／氏名 庭野匡思

研究分担者／氏名／所属／職名
　
氏　　名
所　　属
職　　名

1

 赤嶺淳 一橋大学 教授

2

 藤田耕史 名古屋大学 教授

3

 榎本浩之 国立極地研究所 教授

4

 本山秀明 国立極地研究所 教授

5

 東久美子 国立極地研究所 教授

6

 岸上伸啓 人間文化研究機構／国立民族学博物館 教授

7

 永塚尚子 国立極地研究所／学術振興会 特別研究員

8

 末吉哲雄 国立極地研究所 アドミニストレーター

9

 鬼沢あゆみ 首都大学東京／千葉大学 博士研究員

10

 橋本明弘 気象研究所 主任研究官

11

 猿谷友孝 長岡技術科学大学 産学官連携研究員

12

 對馬あかね 名古屋大学 博士研究員

13

 鈴木和良 海洋研究開発機構 主任技術研究員

14

 松井仁志 名古屋大学 助教

15

 益尾知佐子 九州大学 准教授

16

 青木輝夫 岡山大学 教授

17

 鈴木拓海 千葉大学 修士課程1年

18

 渡辺茜 千葉大学 博士課程1年

19

 島田利元 宇宙航空研究開発機構 開発研究員

20

 西上修輔 岡山大学 修士課程1年

21

 大沼友貴彦 東京大学 特任研究員

22

 齊藤孝祐 横浜国立大学 特任准教授

23

 礪波亜希 筑波大学 准教授

24

 深町　康 北大北極域研究センター 教授

25

 漢那直也 北大北極域研究センター 博士研究員

26

 安藤卓人 北大北極域研究センター 博士研究員

27

 榊原大貴 北大北極域研究センター 博士研究員

28

 Evgeniy Podolskiy 北大北極域研究センター 助教

29

 高橋美野梨 北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター 助教

30

 杉山　慎 北大低温研 教授

31

 飯塚芳徳 北大低温研 准教授

32

 的場澄人 北大低温研 助教

研究集会開催期間 平成 30 年 12 月 17 日 〜 平成 31 年 12 月 19 日
研究目的 　近年のグリーンランド氷床の挙動の急激な変化は世界各国による研究によって実態が次第に明らかにされつつあるが、巨大な氷床の複雑なプロセスの全体像は依然として未解明である。また、氷床の変化が引き起こす周辺の自然環境への影響、社会環境への影響の評価は始まったばかりである。
　本研究集会では、グリーンランドを研究対象としている国内の気象学、雪氷学、海洋学、古気候学、政治学、人類学、地理学などの専門家が会し、それぞれの最新の研究成果の発表を行い、情報交換を行う。その過程を通して、グリーンランドを対象とする研究のオールジャパンでの連携を図り、今までに無い新しい観点からの分野横断的研究計画立案を目指す。
　　
研究内容・成果 　国内の研究機関から約50名が参加した。下記の9つのセッションで39件の口頭発表があった。

1．海洋・古環境・陸上
2．アイスコア・エアロゾル
3．プロジェクト紹介
4．政治・経済
5．氷河
6．微生物
7．表面プロセス
8．捕鯨・生業

　「1．海洋・古環境・陸上セッション」では、グリーンランドのフィヨルドで行われた観測の結果とグリーンランドの気候について議論が行われた。「2．アイスコア・エアロゾル」セッションでは、近年、低温研が中心となってグリーンランドで採取されたアイスコア研究の結果が発表された。「3．プロジェクト紹介」セッションでは、2020年に予定されているSE-Domeアイスコア掘削、E-GRIPとSIGMA-Traverseの観測について紹介された。「4．政治・経済」セッションでは、グリーンランドをめぐる諸外国、特に米国と中国の戦略について議論が行われた。「5．氷河」セッションでは、グリーンランドの氷河の質量収支に関する研究結果が報告された。「6．微生物」セッションでは今シーズン南西部で行われた観測を中心に研究結果が報告された。「7．表面プロセス」セッションでは、現場観測、モデル、衛星観測による研究結果が報告され、今後の研究の方向性について議論が行われた。「8．捕鯨・生業」セッションではグリーンランドの生業を中心に、気候や社会変動と関わる諸課題について議論が行われた。

　また、今後のグリーンランド研究の展望について議論が行われた。この研究集会は7年間にわたり実施され、近年の日本の北極域研究のトレンドの一つとなりつつある自然科学系研究分野と人文社会科学系研究分野の協働の契機となった。本低温研共同研究集会は、様々な研究プロジェクトとは独立して実施され、多様な研究課題に対して、横断的に議論がなされるように発展してきていることから、グリーンランド及び北極研究における本研究集会の意義は非常に大きくなったものの、日本における北極域研究の機運を醸成するという当初の目的を十分に達成したため、次年度の開催は見送ることとした。

詳しいプログラムは以下のサイトで公開されている。
http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/symposium/20181217.pdf
　　
研究集会参加人数 50 人