共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
隕石に含まれる糖およびその関連物質の炭素同位体比および光学異性体比の解明 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 東北大学 |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 古川善博 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
大河内直彦 | JAMSTEC | 上席研究員 |
2 |
中村智樹 | 東北大 | 教授 |
3 |
力石嘉人 | 北大低温研 |
研究目的 | 糖は核酸の構成分子であり、生命の起源にとって不可欠な分子であると考えられている。一方で、糖のように不安定な分子が生命誕生前の地球で合成され、蓄積するのには大きな問題が指摘されている。隕石からは生命を構成する有機分子が多種類見つかっているが、糖に関しては炭素数が3つの短い糖が検出されただけで、生命に関連する糖は見つかっていない。 本研究の目的は、異なるタイプの炭素質隕石に含まれる糖の炭素同位体比を決定することである。この研究は生命誕生前の地球に生命を構成する糖がどれだけ供給されたのか、さらには太陽系の初期進化のどの段階(分子雲なのか小惑星なのか)で糖が生成したいのかを明らかすることにつながる。 |
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研究内容・成果 | これまでに測定した隕石とは異なるタイプの隕石を共同研究者から提供を受け、東北大においてその隕石に含まれる糖の抽出・誘導体化・GC/MS測定および低温研において炭素同位体比測定を行った。その結果、この隕石にも糖が含まれていることが明らかになった。また、隕石中の糖の同位体比測定において、複数の標準試料を加えて、正確な同位体比計算を行うための補正の信頼性を上げた。新たな隕石から抽出した糖の炭素同位体比は地球生命が作り出す糖の炭素同位体比と異なることから、地球外由来であることが明らかになった。この隕石に含まれる糖とこれまでに分析した隕石中の糖に関して論文原稿を作成し、投稿を行った。また、国内学会で研究成果発表も行った。 |
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成果となる論文・学会発表等 |
古川 善博、力石 嘉人、大河内 直彦、中村 智樹、隕石中の糖の探索、2018年度日本地球化学会年会、2018年9月12日、那覇 古川 善博、力石 嘉人、大河内 直彦、中村 智樹、始原的隕石中の糖の探索、2018年度日本惑星科学会秋季講演会、2018年10月19日、旭川 |