共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

氷床・氷河の検層観測に関する研究 - 特に精密温度測定について -
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 国立極地研究所
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 本山秀明

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

古崎睦 旭川工業高等専門学校 教授

2

高田守昌 長岡技術科学大学 助教

3

新堀邦夫 北大低温研技術部

4

宮原盛厚 (株)アノウィ 代表取締役

5

的場澄人 北大低温研

6

杉山慎 北大低温研

7

森章一 北大低温研

8

飯塚芳徳 北大低温研

研究目的 氷河や氷床でアイスコアを採取したあとの掘削孔を利用した観測(検層観測)を行うが、その観測技術に関する研究である。掘削孔内の温度分布や傾斜、孔径の測定には、方法や精度に不十分な点が多い。今年度は、気温の復元をするために掘削孔温度は0.005℃以下の精度で測定する必要があり、この技術的検討を進める
  
研究内容・成果 平成26年度及び平成27年度に同様な研究内容を含む研究課題が採択され、その研究成果を生かした検層装置にて、第57次南極地域観測隊が南極氷床のH128地点にて検層観測を実施したが、いろいろな問題点が生じた。北海道大学低温科学研究所技術部技術報告第22号で「南極氷床で行われた掘削孔検層観測の報告」として孔径測定については比較的精度の高い計測が出来たと報告したが、掘削孔内の温度測定については、全層にわたり検層機を下ろした時と上げたときの計測値が異なっていた。これは、検層機が掘削孔温度に影響を与えているためだと考えているが、その解決法について検討した。また安定して精度と分解能の高い観測データが得られるように研究を進めた。9月7日に共同研究者が低温科学研究所に集まって研究打合せを行い、共同研究の進捗状況の確認と、国内外の検層装置についての情報交換を行った。H128の検層装置による温度測定は、全体に測定値がシフトしたことがわかり、温度変換器のバイアスが簡単に変化しないように固定する必要が示唆された。掘削孔に設置した0.001℃分解能の長期の温度測定データの解析から、0.005℃の精度で長期変動の意味ある解析ができることがわかった。
成果の一部を雪氷研究大会にて発表した。
  
成果となる論文・学会発表等 本山秀明,古崎睦,高田守昌,的場澄人,高橋昭好,田中洋一,宮原盛厚,新堀邦夫,森章一,川村賢二:国内外の氷コア掘削メカニカルドリルと検層装置について.雪氷研究大会(2017・十日町)、十日町市、2017.9.24-9.27.