共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

寒冷地の文化財の劣化に関わる凍上現象の実験的研究
新規・継続の別 継続(平成28年度から)
研究代表者/所属 東北芸術工科大学
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 石崎武志

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

曽根敏雄 北大低温研

研究目的 石造文化財や土遺構の凍結劣化に関して、多孔質対中の水分が凍結する際に生ずる凍上現象が関与している。この凍上現象とは、多孔質体中の水が凍結する際に、凍結面へ向かって水が流れ、そこで氷晶として析出することにより、その圧力で多孔質体が破壊されることにより生ずると考えられている。ただし、この凍上現象のメカニズムに関しては、未だに明らかになっていない。特に、凍上機構のモデルにおいて、部分凍結領域(フローズンフリンジと呼ばれる領域)が存在するかどうかによってもモデルが大きく変わってくる。ここでは、凍上実験中に、0℃線近くの構造を調べることにより部分凍結領域の構造を明らかにすることを目的にする。
  
研究内容・成果 2017年8月に、中国の上海で東アジアの文化遺産保存学会第6会大会が開催されたので、そこで、下記に上げた研究発表を行うと共に専門家と情報交換を行った。また、凍上に関する実験装置の作成に関しては、北大低温科学研究所にて、曽根助教および技術部のスタッフと検討を行い作成した。
  
成果となる論文・学会発表等 K.Ishizawa, S. Yonemura and T. Ishizaki: Study of Frost Damages of Stone Cultural Property in Cold Region and their Protective Measures. Proceedings of the Sixth Symposium of the Society for Conservation of Cultural Heritages in East Asia, pp.98, 2017.