共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
北東アジアの環境保全に向けた認識共同体の構築とプログラム化 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 東北大学東北アジア研究センター |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 石井敦 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
児矢野マリ | 北海道大学大学院法学研究科 | 教授 |
2 |
白木彩子 | 東京農業大学生物産業学部 | 准教授 |
3 |
白岩孝行 | 北大低温研 | 准教授 |
4 |
三寺文夫 | 北大低温研 | 教授 |
5 |
西岡 純 | 北大低温研 | 准教授 |
6 |
中村知裕 | 北大低温研 | 講師 |
7 |
的場澄人 | 北大低温研 | 助教 |
研究目的 | 本研究は、東北アジアの越境環境問題の理解と保全対策を進めるための多国間学術ネットワークであるアムール・オホーツクコンソーシアムの活動を、これまでの自然科学中心の議論から学際的かつ実際的な取り組みにすすめるべく、国際関係論、国際法、鳥類保全学の分野の研究者が連携することにより、より具体的な問題解決のためのプログラム案作りのために企画された。これまではややもすれば発散しがちであったアムール・オホーツクコンソーシアムの取り組みを、より具体的な形で取りまとめ、中国、ロシア、モンゴルの研究者を積極的に参加してもらうためのアジェンダを策定することが本研究の目的である。 |
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研究内容・成果 | 本研究代表者らによって企画された国際シンポジウム「北東アジアの環境:文化的認識と政策的関与 セッションB 東北アジアにおける国際環境協力のための科学とは:渡り鳥とその生息地を事例に」(平成28年12月3日:於東北大学)、および平成29年3月3日に本研究グループが実施したスカイプ会議での議論をもとに、アムール・オホーツクコンソーシアムが次に取り上げるべき具体的なテーマを検討した。その結果、ロシア極東地域に生息する渡り鳥に注目し、渡り鳥の生態と陸域・海域環境の連関を取り上げ、自然科学と社会科学が協働するテーマとしてアジェンダ策定することが重要であるとの結論に至った。 実際の研究活動は、以下に述べる2回の会合と1回の聞き取り調査からなる。これらの会合により、上述したテーマを進める上での課題とプロジェクト立ち上げのための資金獲得戦略を検討し、アジェンダ策定への道筋をつけた。 第一回目の会合は、平成29年7月31日-8月1日に低温科学研究所において実施した。この会合では、渡り鳥の中継地・営巣地として重要と考えられるモンゴルでコンソーシアム会議を開催する可能性を模索するため、それぞれの専門の立場から課題を検討した。代表者の石井は、認識共同体、政策・制度間相互連関を、児矢野は制度的枠組、法制度、規範性のある非拘束的合意を、白木は渡り鳥の生態学的な情報を、そして白岩が渡り鳥の生息地の陸面状態を検討課題とした。また、プロジェクトの資金を獲得するため、民間財団や科研費の申請にむけた準備を進めることを決定した。加えて、各国のカウンターパートとなるべき研究者の情報を共有し、候補者のリストアップを行った。 更なる議論のための情報を得るべく、平成30年3月19日には、研究代表者の石井と分担者の白岩が東京に拠点を置くバードライフインターナショナルを訪問し、日本や世界が進めるロシア極東地域における渡り鳥の保全活動に関する聞き取り調査を実施した。 第2回目の会合は、平成30年3月26日に低温科学研究所において実施した。この会議では、バードライフインターナショナルでの聞き取り調査の結果をメンバー間で共有すると共に、コンソーシアムで取り上げるべきテーマの絞り込みを実施した。その結果、アムール川の上流部であるダウリア地方は、陸面の状況についても、渡り鳥の生息環境についても情報が乏しく、主要課題として取り上げることは難しいとの結論に至った。一方、アムール川中流部のロシア領域は、当研究グループがこれまで研究を実施してきた既知の地域であり、シギ・チドリ・オオワシ・オジロワシなどの近年個体数が減少しつつある希少種の棲息地でもあることから、この地域を取り上げることが現実的であることを確認した。 これらの議論を行いつつ、本年は民間財団に1件、科学研究費に1件の研究助成を申請するに至った。 |
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成果となる論文・学会発表等 |