共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

天体の衝突物理の解明(XI)
新規・継続の別 継続(平成17年度から)
研究代表者/所属 千葉工業大学 惑星探査研究センター
研究代表者/職名 研究員
研究代表者/氏名 黒澤 耕介

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

諸田智克 名大・環境 助教

2

中村昭子 神戸大・理 准教授

3

門野敏彦 産業医科大・医 教授

4

和田浩二 千葉工大・PERC 上席研究員

5

大野宗祐 千葉工大・PERC 上席研究員

6

鈴木絢子 JAXA・ISAS 研究員

7

出村裕英 会津大・コンピュータ理工 上級准教授

8

浅田智朗 会津大・CAIST 教授

9

本田親寿 会津大・CAIST 准教授

10

高木靖彦 愛知東邦大 教授

11

岡本尚也 神戸大・理 大学院生

12

辻堂さやか 神戸大・理 大学院生

13

原田竣也 神戸大・理 大学院生

14

樋口有理可 東工大・理 研究員

15

岡本千里 神戸大・理 研究員

16

平井隆之 JAXA 研究員

17

桑原秀治 東大・新領域 大学院生

18

巽瑛理 東大・新領域 大学院生

19

道上達広 近畿大・工 准教授

20

加藤伸祐 名大・理 大学院生

21

大村知美 神戸大・理 大学院生

22

山田智哉 名大・理 大学院生

23

倉本圭 北大・理 教授

24

田中今日子 北大低温研 研究員

25

田中秀和 北大低温研 准教授

研究集会開催期間 平成 27 年 11 月 25 日 〜 平成 27 年 11 月 28 日
研究目的 本研究集会は,雪氷学, 衝突物理学, 惑星科学などを背景に持つ研究者が一同に介し, 研究成果を発表し議論するために開催する.惑星物質科学としての氷物性の研究や,それを惑星系の起源や進化へ応用する研究,惑星系の起源と進化において重要な役割を担う衝突現象の研究を有機的に結びつけ, 新たな研究領域の開拓を目指す. 加えて,全国の研究者間の研究交流と,共同研究の促進を図ることも目的としている.
  
研究内容・成果 惑星系の起源・進化の過程において,天体同士の衝突合体・破壊, 衝突に伴う蒸発/脱ガスなどは最重要な素過程の一つである.近年では「はやぶさ」, 「かぐや」, そして現在航行中の「はやぶさ2」など日本主導の惑星探査が盛んに行われるようになり, 太陽系天体群の未知のデータが大量にもたらされる時代になった. 天体上に残された天体衝突に伴う様々な痕跡から,対象天体の進化の歴史を紐解くために衝突現象の素過程を理解することが不可欠である.衝突現象の解明には,理論や実験など様々な手法を駆使して多角的に研究を推し進める必要がある. そこで, 「衝突現象」をキーワードにして様々な研究背景を持つ研究者が一同に介し, 最新の研究成果を非公表データを交えつつ議論しあう場として第11回衝突研究会を開催した. また研究会前日には惑星科学者に対して無償で公開されている数値衝突計算コードであるiSALE shock physics codeについての勉強会が開催された. 今年度は「衝突研究における状態方程式の役割」と題し, 衝突現象を熱力学的・連続体力学で記述する際に不可欠である状態方程式に焦点をあてた. 日本における状態方程式研究の第一人者である川合伸明氏, 丹下慶範氏, 土屋卓久氏を講師にお招きし, 動的・静的圧縮実験及び第一原理計算からどのように状態方程式を構築していくかについて, 語っていただいた. それに対応して, 若手参加者からは天体衝突現象の最新の理解について室内実験, 数値解析のそれぞれから紹介され, 活発な議論が行われた. また,これまでの日本の惑星探査の成果である「かぐや」や「はやぶさ」のデータを用いた研究発表や,2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」の探査機器や探査計画に関する報告もあった. 探査で得られる大量のデータからどうやって科学成果を最大化するかという議論も行われた. 参加者は45名を数え,講演時間が足りなくなるほどの質問と議論によって大変盛況であった(研究会報告記事は日本惑星科学会誌へ投稿準備中)
  
研究集会参加人数 45 人