共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
動物化石資料内部を採取する装置の開発 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 国立科学博物館 |
研究代表者/職名 | 研究主幹 |
研究代表者/氏名 | 甲能直樹 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
長谷川政美 | 統計数理研究所 | 名誉教授 |
2 |
瀬川高弘 | 国立極地研究所 | 特任助教 |
3 |
米澤隆弘 | 復旦大学 | 副教授 |
4 |
福井学 | 北大低温研 | 教授 |
5 |
新堀邦夫 | 北大低温研 | 技官 |
研究目的 | 本共同研究は、化石資料の内部から試料をできるかぎり無菌的に取り出す装置の開発をおこなうことを目的とする。寒冷地域から採取された保存状態の良質なナウマンゾウやヒグマなどの大型動物の化石資料を用いて試料の解析をおこない、寒冷地域の過去の動物相の解明を目指す。汚染の確認には、試料の外側に高濃度な化学物質や人工的な遺伝子配列を塗布し、イオンクロマトグラフィやDNA解析などを用いて汚染の有無や経路などの確認を実地する。 |
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研究内容・成果 | 化石資料の表面には微生物などの汚染源が多く存在するため,これまでの化石資料を用いた遺伝子解析には多々問題点があった.そうしたことから,本共同研究では,化石資料の内部から試料をできるかぎり無菌的に採取する装置の開発をおこなった.作業の実際としては,資料の外側に人工的な遺伝子配列を塗布した後に装置で資料内部を採取し,核酸増幅装置などを用いてコンタミネーションの有無などの確認を実施した.その結果,遺伝子レベルでもコンタミネーションがない状態で,資料内部のみを抽出させる装置の作成に成功した.そこで,実際に約2万年前のナウマンゾウの化石資料複数点を用いて,DNA解析をおこなった.本資料は、寒冷地域から採集されたもので,DNAの保存状態は高いと推測される.これらの資料に本装置を用いて資料内部を無菌的に採取し,試料からDNA抽出をおこなったところ,ナウマンゾウ資料から初めてゲノム解析をおこなう事に成功した.現在,ゲノムライブラリーから得られた遺伝子断片の解析をおこなっているところである. |
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成果となる論文・学会発表等 |