共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

低温環境への適応:ゲノム進化と環境変動指標
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 東京大学大学院理学系研究科
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 遠藤一佳

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

斎藤成也 遺伝研 教授

2

岸田拓士 京都大学 助教

3

井上潤 沖縄科学技術大学院大学 研究員

4

増田隆一 北大・理 教授

5

川島武士 沖縄科学技術大学院大学 研究員

6

森宙史 東工大 助教

7

川島秀一 情報・システム研究機構 特任助教

8

小宮剛 東大・総合文化 准教授

9

加藤泰浩 東大・工 教授

10

田近英一 東大・新領域 教授

11

大河内直彦 海洋研究開発機構 プログラムディレクタ

12

宮下英明 京大 教授

13

溝口正 立命館大学 教授

14

横堀伸一 東京薬科大学 講師

15

松浦克美 首都大学東京 教授

16

春田伸 首都大学東京 准教授

17

平田岳史 京大 教授

18

山下勝行 岡山大 准教授

19

折橋裕二 東大・地震研 助教

20

對比地孝亘 東大・理 講師

21

佐々木猛智 東大・博物館 准教授

22

福井学 北大低温研

研究集会開催期間 平成 26 年 7 月 22 日 〜 平成 26 年 7 月 24 日
研究目的 地球環境は、先カンブリア時代の2回の全球凍結、古生代末の氷河時代、新生代後半の氷河時代など、過去何回も寒冷化を繰り返してきた。そのような中で生物は、寒冷化する環境に適応し、生き伸びてきた。その歴史は、現在の寒冷環境における生物の分布や生理、生態、形態などに刻まれているだけでなく、それらの生物が持つゲノムにも刻まれていると考えられる。本研究集会では、そのような生物の寒冷化への適応過程を、微生物から動物、人類まで、さまざまな生物について、主として生物学の立場から比較検討する。また、過去に起きた寒冷化のタイミングや規模を地質記録から推定するさまざまな指標については、地球科学の立場から比較検討する。
  
研究内容・成果  初日には、江淵直人低温科学研究所長の挨拶に続き、以下の2件の基調講演が行われた。福井学「低温環境と微生物」、嶋盛吾「古代ゲノム学とタンパク質構造」。
 二日目には、以下の13件の研究発表と質疑が行われ、夕方に総合討論が行われた。春田 伸「温泉微生物群集から探る生物進化」、横堀伸一「古代タンパク質の復元と分子系統解析からみた古細菌共通祖先、真正細菌共通祖先,コモノート」、大河内直彦「クロロフィルの地球化学」、宮下英明「シアノバクテリアにおけるクロロフィルの多様化と光質適応」、小宮 剛「表層環境変動解読と生命進化」、加藤泰浩「グローバル海洋環境とメタロジェニー」、遠藤一佳「新生代における寒冷化と不凍タンパク質の進化」、氏家由利香「有孔虫の環境適応と古海洋変動」、斎藤 成也「縄文時代人の古代ゲノム解読」、井上 潤「分子系統解析を活用したゲノム進化研究」、川島武士「古代ゲノム学における後生動物進化研究のための統合データベース」、森 宙史「古代ゲノムと微生物統合データベース」、平田 岳史「メタロミクス:生体金属支援機能科学に向けた無機質量分析計の開発」。
 このようにして生物学と地球科学のそれぞれの専門家が一堂に会し、議論を進めることで、環境変化とそれに伴う生物の変化、ゲノムの変化を立体的、俯瞰的にあぶり出すことができた。寒冷適応に関する知見は、温暖適応を含む一般的な温度環境の変化に対する生物応答に敷衍できる可能性がある。三日目には、今回の集会のコアメンバー11名(遠藤、川島、福井、嶋、宮下、大河内、小宮、森、斎藤、氏家、横堀)が集まり、そのような一般的事象への研究の展開、および、過去の事象から、現在、近未来の事象の理解、考察に資する複眼的視点に関して議論を深めた。
  
研究集会参加人数 40 人