共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

チョウ類の環境適応機構の解析
新規・継続の別 継続(平成25年度から)
研究代表者/所属 山口大院医系
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 山中明

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

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落合正則 北大低温研 准教授

研究目的 チョウ類が示す新規な表現型多型を探索するとともに、チョウ類の体色や形態を変化させる神経内分泌調節因子の作用機作の詳細な解析する。また、表現型多型からチョウ類の進化発生過程を考察してゆく。
  
研究内容・成果 ベニシジミ成虫の頭部、翅部(後翅腹側)および脚部に存在する毛状鱗粉の数および長さに新規な表現型多型が認められた。特に、長日成虫(23℃飼育)と短日成虫(16℃飼育)の前・中・後脚の腿節部に生じる毛状鱗粉の本数と長さを計測したところ、毛状鱗粉の本数と長さは、LD23成虫よりSD16成虫において増加した。毛状鱗粉形成に対する日長と温度の影響を調べた結果、毛状鱗粉の長さは、同じ飼育条件下の雌雄間に差はなく、長日成虫よりも短日成虫で長かった。さらに、温度が低いほど長さが長くなる傾向もみられた。また、毛状鱗粉には、白色と黒色が存在するが、雌の長日成虫において黒色毛状鱗粉の本数が著しく減少した。以上の結果より、ベニシジミ成虫の脚の毛状鱗粉形成は、幼虫期の温度よりも日長の影響を強く受けることがわかった。
  
成果となる論文・学会発表等 [1]山中 明・益本祐希・落合正則・北沢千里. ベニシジミ成虫の毛状鱗粉形成に及ぼす日長と温度の影響、第58回日本応用動物昆虫学会大会講演要旨集、p.59、2014、第58回日本応用動物昆虫学会大会(高知大学)、2014.3.26-28.
[2]山中 明・益本祐希・北沢千里・落合正則. ベニシジミ成虫の脚に生じる毛状鱗粉の調節機構、日本動物学会第85回大会要旨集、p.111、2014、日本動物学会第85回大会(東北大学)、2014.9.11-13.
[3]安部成美・益本祐希・落合正則・北沢千里・山中 明、ベニシジミ成虫の毛状鱗粉の環境応答性、日本農芸化学会中国四国支部第41回講演会講演要旨集、p.53、日本農芸化学会中四国支部第41回講演会(例会)(水産大学校, 下関), 2015.1.24.