共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
北東アジアと札幌の積雪推移に関する比較研究 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 富山大学極東地域研究センター |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 杉浦幸之助 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
青木輝夫 | 気象庁気象研究所 | 第六研究室長 |
2 |
白岩孝行 | 北大低温研 | 准教授 |
3 |
的場澄人 | 北大低温研 | 助教 |
研究目的 | 一般に地上気象観測(気象台、測候所、観測所)や地域気象観測(アメダス)では積雪の深さ(積雪深)が観測されるが、本研究では水循環という観点から雪を水に換算した積雪水量に着目する。札幌(北海道大学低温科学研究所露場)に自動積雪重量計を設置し、高時間分解能で積雪水量の推移の実態を継続して把握し、さらに北東アジアの積雪物理量データと比較検討することにより、異なる気候帯における積雪推移の差異や地域特性を明らかにすることを目的とする。 |
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研究内容・成果 | 本研究ではまずはじめに、積雪深データから積雪水量をより高精度に推定するための方法として、積雪密度の時系列変化の数式化を試みた。高頻度で得られた札幌(北海道大学低温科学研究所露場)での積雪水量と積雪深データをもとに積雪密度を算出して、積雪密度の時系列変化を調べた。 積雪深と積雪水量の関係には大まかに3つの段階があることが知られている。積雪深と積雪水量がともに増加する増雪期、積雪深は減少するが積雪水量は増加する遷移期、積雪深と積雪水量がともに減少する融雪期である。本観測期間中の遷移期は、2011年/2012年冬季では26日間、2012年/2013年冬季では22日間、2013年/2014年冬季では23日間であることがわかった。全層積雪密度の時系列変化をみてみると、まず根雪開始時期には新雪の圧密に伴い全層積雪密度が急激に増加し、その後やや増加が弱まるものの、最終的に融雪が進むと急激に増加した。このような時系列変化を表現する関数形はいくつかありうる。本研究では一つの例として双曲線正弦関数を取り上げて、全層積雪密度の時系列変化を表現した。 |
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成果となる論文・学会発表等 | 杉浦・青木・朽木・庭野・兒玉・的場・八久保・堀, 積雪水量と積雪深の高精度な相互推定のための積雪密度の数式化, 雪氷北信越, 34, 17, 2014. |