共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
惑星表層における氷層の成長・破壊に関する研究 |
新規・継続の別 | 継続(平成25年度から) |
研究代表者/所属 | 東京大学地震研究所 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 栗田敬 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
波多野恭弘 | 東京大学地震研究所 | 准教授 |
2 |
市原美恵 | 東京大学地震研究所 | 准教授 |
3 |
猿谷友孝 | 東京大学地震研究所 | 大学院博士課程学生 |
4 |
庄司大悟 | 東京大学地震研究所 | 大学院博士課程学生 |
5 |
黒川愛香 | 東京大学地震研究所 | 大学院博士課程学生 |
6 |
野口里奈 | 東京大学地震研究所 | 大学院博士課程学生 |
7 |
田中秀和 | 北海道大学低温科学研究所 | 准教授 |
研究目的 | 太陽系内において固体表面をもつ天体では氷は主要なな構成要素である.その挙動の理解は惑星の表層現象や内部活動を考える上で重要である.今年度は氷-水-固体粒子の混合系におけるアイスレンズ形成過程や氷のレオロジーが氷衛星の潮汐加熱過程で果たす役割に焦点を当てて研究を進めた. |
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研究内容・成果 | アイスレンズ形成過程の研究: 本課題は昨年度の研究の継続であり、粒子-水混合系の一方向性冷却によるアイスレンズ形成実験を行った.水相として各種濃度の食塩水溶液を使い、また二酸化炭素溶存水を用いた.これは地球ののみならず火星環境でのアイスレンズ形成を考える上での準備実験である.低温室を利用したアイスレンズの偏光顕微鏡観察により氷層の成長と結晶方位選択や氷結晶粒径と粒子サイズの関係が明らかになった.また二酸化炭素溶存水ではアイスレンズの氷結晶の粒径が著しく小さくなることが示された. 氷衛星の潮汐加熱の研究: 土星系のエンケラドス、木星系のエウロパなどでは潮汐変形によるエネルギー散逸が天体の加熱に寄与していると考えられている.この発熱効率は氷のレオロジーに大きく依存するために、様々なレオロジー則(マックスウエルモデル、バーガースモデル、アンドレードモデル)を仮定して潮汐発熱を計算した.エンケラドスの場合バーガースモデルが適していると判断し、それの基づいた潮汐加熱進化の熱史を推定した. また両課題に共通したテーマとして、破壊流動の両者が関与した現象を粒子ダイナミクスのシミュレーションによりどのように定式化するのか、という感点からの共同研究が進行中である. |
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成果となる論文・学会発表等 |
T.Saruya,A.Rempel and K.Kurita,Hydrodynamic Transitions with Changing Particle Size That Control Ice Lens Growth, J.Phys.Chem. B 118,13420-13426,2014 T.Saruya,K.Kurita and A.Rempel, Indirect measurement of interfacial melting from macroscopic ice observations, Phys.Rev.E, 89,060401,2014 Shoji,D.,H.Hussmann,F.Sohl and K.Kurita, Non-steady state tidal heating of Enceladus, Icarus 235,75-85,2014 T.Saruya,K.Kurita and A.Rempel, Microphysical controls and particle size dependence on Ice Lens Formation, presented at Physics and Chemistry of Ice 2014 (2014年3月) 猿谷友孝、Physical process of frost heave and ice lens formation in frozen soils、低温科学研究所共同研究集会 「永久凍土のモニタリングと変動に関する研究集会」にて発表 |