共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
物質循環から見た流域・汽水域・沿岸連環の解明 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 岐阜大学 |
研究代表者/職名 | 助教 |
研究代表者/氏名 | 大西健夫 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
楊 宗興 | 東京農工大学 | 教授 |
2 |
長尾誠也 | 金沢大学 | 教授 |
3 |
川東正幸 | 首都大学東京 | 准教授 |
4 |
串田圭司 | 富山大学 | 准教授 |
5 |
柴田英昭 | 北海道大学 | 教授 |
6 |
白岩孝行 | 北大低温研 | |
7 |
三寺文夫 | 北大低温研 | |
8 |
西岡 純 | 北大低温研 | |
9 |
中村知裕 | 北大低温研 | |
10 |
的場澄人 | 北大低温研 |
研究集会開催期間 | 平成 26 年 3 月 13 日 〜 平成 26 年 3 月 13 日 |
研究目的 | 本研究の目的は、モンゴル・中国・ロシアの三カ国を流下する国際河川アムール川流域、ならびに日本国内の河川流域において、近年、急速に進行 する陸面被覆・土地利用変化の実態と、その変化が河川水質、とりわけ『溶存鉄』に与える影響を定量的に評価するために、各地域で陸・川・海の物質循環研究 に取り組んでいる研究者を札幌に集め、研究の現状をレビューし、問題点を洗い出し、大型研究費の獲得のための研究計画立案を目的とした研究集会を実施する ことにある。本研究を低温科学研究所の共同研究として実施する理由は、アムール・オホーツクプロジェクトの基本的なアイデアを生み出した同研究所こそが、 本研究テーマである陸・川・海の連環研究を他に先駆けて推進していくべきと考えるからである。 |
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研究内容・成果 | 平成25年3月5日(水)13:30-18:00に低温科学研究所 2F会議室において「物質循環から見た流域・汽水域・沿岸連環の解明」と題 する研究集会を実施した。参加者は、プログラムに掲載された発表者7名の他、のべ20名であった。まず始めに古川義純・低温研所長から研究集会開催にあ たって低温科学研究所の共同研究の意義について説明をいただいた。続いて、白岩孝行(北大・低温研)と浅野芳治(北大・環境科学院)がそれぞれ「北海道の 森川海連環:道南天ノ川・石崎川の事例」、「沿岸域の基礎生産に与える河川の影響評価(網走川流域)」と題して、北海道の2地域における河川水中の溶存鉄 濃度の季節変化と沿岸の磯焼けならびに基礎生産に与える影響を紹介した。続いて、大陸河川であるバイカル湖水系の河川における金属元素の動態が川東正幸 (首都大学東京)から紹介された。 楊宗興(東京農工大学)は、日本全国の河川で測定された溶存鉄濃度と流域の土地利用・土地形状 との統計的関係から、溶存鉄濃度は北日本、とりわけ日本海側の河川で高いことを紹介し、その原因を湿原と冬期の多雪に求めた。また、長尾誠也(金沢大学) は、北海道東部の別寒辺牛川と厚岸湖における研究から、河川起源の粒子態有機物の挙動について紹介した。 最後に、研究代表者の大西健夫(岐阜大学)は、陸海における水物質循環のモデリングの実例をアムール流域と伊勢湾流域を対象に紹介し、三寺文夫(北大・低温研)がアムール川の流出がサハリン湾においていかにして移流・拡散するかをモデルによって明らかにした。 本研究集会では、河川起源の溶存鉄、ならびに溶存態・粒子態有機物の挙動について、観測とモデルの二つのアプローチから様々な地域を対象に行った研究が紹 介され、陸と海を結ぶ物質循環についての知識を整理することができた。重要な点は、汽水域における物理・化学プロセスの理解であるという共通認識が研究集 会を通じて育まれた。また、本研究集会をきっかけに、科学研究費に共同研究を申請することが決められた。 |
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研究集会参加人数 | 27 人 |