共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

積雪重量計を用いた札幌における積雪推移の観測研究(3)
新規・継続の別 継続(平成23年度から)
研究代表者/所属 富山大学極東地域研究センター
研究代表者/職名 准教授
研究代表者/氏名 杉浦幸之助

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

青木輝夫 気象庁気象研究所 第六研究室長

2

的場澄人 北大低温研 助教

研究目的 本研究では、異なる気候帯における積雪推移の実態把握の一環として、積雪重量計を札幌(北海道大学低温科学研究所露場)に設置し、自動計測により、高時間分解能で、積雪水量の推移の実態を、継続して把握することを目的とする。
  
研究内容・成果 北海道大学低温科学研究所露場では、長期にわたり気象及び積雪に関する地上観測が実施されている。そこで、気象及び積雪に関する観測結果との比較をふまえて、積雪水量の推移の実態を継続して把握するために、2011年11月より低温科学研究所露場に積雪重量計を設置している。積雪重量計とは、ステンレス薄板製の偏平容器の上に降り積もった積雪の重量を自動計測する装置である。この偏平容器の中には不凍液が充填されており、容器内の圧力が圧力センサーを介して電気信号に変換し出力される。
今年度は、12月6日に積雪重量計を設置することができた。現在も継続的に積雪水量が1分毎に測定されている。また同日、スノーパーティクルカウンターも設置することができた。
これまで得られた観測結果によると、2011年/2012年冬季の最大積雪水量は3月21日の270mm、2012年/2013年冬季では3月21日の534mm、2013年/2014年冬季では3月17日の309mm(2014年3月31日の時点)であった。また最大積雪深は、2011年/2012年冬季では2月24日の0.76m、2012年/2013年冬季では2月27日の1.19m、2013年/2014年冬季では2月22日の1.12m(2014年3月31日の時点)であった。積雪深と積雪水量の関係には大まかに3つの段階があることが知られている。積雪深と積雪水量がともに増加する増雪期、積雪深は減少するが積雪水量は増加する遷移期、積雪深と積雪水量がともに減少する融雪期である。本観測期間中の遷移期は、2011年/2012年冬季では26日間、2012年/2013年冬季では22日間、2013年/2014年冬季では23日間であることがわかった。
  
成果となる論文・学会発表等