共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

寒冷多雪地域における雪を介した物質動態に関する研究
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 信州大学山岳科学総合研究所
研究代表者/職名 研究員
研究代表者/氏名 佐々木明彦

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

倉元隆之 信州大学山岳科学総合研究所 研究員

2

的場澄人 北大低温研

研究目的 多雪地域の水循環およびそれに伴う物質循環には,雪が大きく関わっている。雪には,海塩や大陸の地殻などを起源とする成分に加えて,日本を含む東アジアで発生した人為起源の成分も含まれている。したがって,同地域の水圏の環境動態を正しく理解するためには,冬季降水における現状を把握し,降雪・積雪の影響を評価することが重要となる。そこで,融雪が生じていない最深積雪期に高標高地域で積雪調査を行い,冬季に堆積した各積雪層の化学成分濃度と堆積時期を明らかにし,冬季降水による物質沈着量を明らかにする。
  
研究内容・成果 平成25年度は,中部山岳地域に位置する西穂高岳主稜線上の標高2350mに地点おいて積雪調査を実施している。12月以降,毎月1回の積雪断面観測を実施し,積雪層の層位,密度,雪温を記録するとともに,化学成分分析用の試料を採取した。3月半ばに実施した積雪断面観測時に積雪層は融解しておらず,11月に根雪になって以降の降雪の化学成分が積雪層に保存さていると判断される。現在,12月,1月,2月,および3月に採取した試料の電気伝導度,pH,主要化学成分濃度の分析を実施中である。これらにもとづき,主要化学成分濃度などを基にして,各積雪層の堆積時期の特定を行うとともに,気象条件による積雪中の化学特性の違いを明らかにする予定である。また,西穂高岳における積雪は,例年6月下旬まで残るので,本研究では4月以降も月1回の積雪断面観測を実施し,積雪層の層位や密度の変化をおさえるとともに,化学成分濃度を明らかにして,融雪過程における積雪水量の変化や積雪層中の化学成分濃度の変化を明らかにする予定である。
  
成果となる論文・学会発表等