共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

氷河・氷床掘削孔検層観測の精密温度測定技術に関する研究
新規・継続の別 継続(平成24年度から)
研究代表者/所属 国立極地研究所
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 本山秀明

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

古崎睦 旭川工業高等専門学校 教授

2

高橋昭好 株式会社地球工学研究所 代表取締役

3

宮原盛厚 株式会社アノウィ 代表取締役

4

高田守昌 長岡技術科学大学 助教

5

澤柿教伸 北海道大学地球環境科学研究院 助教

6

的場澄人 北大低温研

7

杉山慎 北大低温研

8

新堀邦夫 北大低温研

9

森章一 北大低温研

研究目的 本研究目的は、アイスコアを採取したあとの掘削孔を利用した様々な観測(検層観測と呼ぶ)をするが、その観測技術の改良に関する研究である。残念ながら現有の検層観測装置に問題点がある。気温の復元をするためには、掘削孔温度は0.01℃以下の精度で測定する必要があるが、現状は精々0.1℃である。適当な温度センサーの選択も必要である。また温度測定とともに傾斜計、方位センサー、孔径センサーからの測定値などを地上にケーブルで送信するが、この通信システムに現状では問題があり、安定しないので改善できる可能性を検討する。
  
研究内容・成果 現有の氷河・氷床掘削孔用検層装置について問題点と改良点を明らかにした。その結果を踏まえて検層器の改良を行い、第54次南極地域観測隊(2012年11月出発)で計画されている南極ドームふじ基地での検層観測を実施した。検層ゾンデには、液温センサー、氷温センサー、傾斜センサー、液圧センサー、孔径センサー(上下2か所)が付いている。これらのデータを解析した。その結果、温度測定に関しては温度分解能が0.05℃で、十分高い分解能だと考えていたが、実際に氷床底部では温度差が小さく、さらに一桁温度分解能が必要であることがわかった。また孔径や傾斜について、以前のデータと比較したが、深さのあいまいさ、測定手段の変更などがあり、これから氷河流動のパラメータを算出するには、さらなる見当が必要である。また2014年春に計画されているグリーンランド北西氷床の掘削孔温度測定装置について検討した。
  
成果となる論文・学会発表等 本山秀明、鈴木利孝、福井幸太郎、大野浩、保科優、藤田秀二:第54次南極地域観測隊内陸雪氷観測報告.2013年日本地球惑星科学連合大会、幕張メッセ国際会議場、2013年5月19日〜24日.

Motoyama, H., Furusaki A., Takahashi, A., Tanaka, Y., Miyahara, M., Takata, M., Sawagaki, T., Matoba S., Sugiyama, S., Shinbori, K., Mori, S. Deep borehole logging at Dome Fuji Station, Antarctica. 7th International Workshop on Ice Drilling Technology, University of Wisconsin, Madison, WI, USA, 9-13, September, 2013.

本山秀明、古崎睦、高橋昭好、田中洋一、宮原盛厚、高田守昌、澤柿教伸、的場澄人、杉山慎、新堀邦夫、森章一:南極ドームふじでの深層掘削孔の検層観測.雪氷研究大会(2013・北見)、北見工業大学、2013.9.17-9.21.

本山秀明、古崎睦、高橋昭好、田中洋一、宮原盛厚、高田守昌、澤柿教伸、的場澄人、杉山慎、新堀邦夫、森章一:南極ドームふじでの深層掘削孔の検層観測.第4回極域科学シンポジウム、国立極地研究所、東京、2013.11.12-15.