共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
全球・領域気候モデルにおける環オホーツク地域の相互比較 |
新規・継続の別 | 継続(平成22年度から) |
研究代表者/所属 | 海洋研究開発機構 |
研究代表者/職名 | チームリーダー |
研究代表者/氏名 | 小守信正 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
本田明治 | 国立大学法人新潟大学 | 准教授 |
2 |
小木雅世 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 研究員 |
3 |
木田新一郎 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 研究員 |
4 |
田口文明 | 独立行政法人海洋研究開発機構 | 研究員 |
5 |
三寺史夫 | 北大低温研 | 教授 |
6 |
青木茂 | 北大低温研 | 准教授 |
7 |
中村知裕 | 北大低温研 | 講師 |
研究目的 | 北海道大学低温科学研究所で開発中の環オホーツク領域気候モデルおよび独立行政法人海洋研究開発機構で開発中の全球大気海洋結合モデル (CFES) をより精緻なものとすることにより、比較的立ち後れている環オホーツク地域のモデリング研究・シミュレーション研究を発展させ、気候変動・環境変動予測のための基盤を構築する。 |
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研究内容・成果 | 本共同研究のための情報交換・議論の場として、2013年12月に低温科学研究所において研究集会を開催した。発表者とタイトルを文末に示す。参加者の研究手法は、人工衛星観測データ・現場観測データ・再解析データの解析から領域海洋モデル・全球大気モデル・全球大気海洋結合モデルを使った研究まで多岐に渡り、活発な議論が行われた。一連の発表・議論を通じて、オホーツク海内部で生じる諸現象に加え、太平洋や北極海・ベーリング海といった他の海洋や半球規模の大気大循環場とオホーツク海の結び付きの重要性が再確認された。また、統計的手法やデータ同化手法を利用した海氷変動予測に関しても、その実現可能性がかなり高まってきたと感じられた。 平成22年度から始まった本共同研究の成果として、観測データおよび CFES に見られる南極海氷の準十年規模周極変動に関する研究 (Bajish et al., 2013) や、東カムチャツカ海流が駆動するオホーツク海と北太平洋の間の交換流に関する理論的研究 (Kida and Qiu, 2013) が論文として出版された。秋の北極海と冬のオホーツク海における海氷の十年規模共変動に関する論文も、近く投稿される予定である。また、潮汐のような短周期現象から十年規模の変動まで、あるいは、局所的な地形の影響から海盆規模の変動まで、本共同研究で取り上げられた様々な時空間スケールの現象・変動に関する知見は、陰に陽に、CFES の精緻化・高精度化に貢献している。 【研究集会の発表者とタイトル】 木村詞明(極地研・東大院新領域)海氷の変動についてのいくつかの話 佐伯立(北大院環境)海氷バンド形成に関する理論と現実の比較 中村知裕(北大低温研)オホーツク海東部流量観測速報 美山透(海洋機構)半島・海峡地形がつくる海流ジェットと渦の形成メカニズム 木田新一郎(海洋機構)地形が縁辺海と外洋の水塊交換に与える影響 三寺史夫(北大低温研)塩分がコントロールする移行域モード水の形成メカニズム 中野渡拓也(北大低温研)オホーツク海中層の十年規模変動のシミュレーション 松田淳二(北大院環境)Overturning circulation in the Sea of Okhotsk, Bering Sea and North Pacific 田口文明(海洋機構)秋の北極海と冬のオホーツク海に於ける海氷の十年規模共変動 本田明治(新潟大理)近年の北半球大気循環場変動にオホーツク海はどう関わっているのか? 高谷康太郎(海洋機構)オホーツク海海氷変動と大気循環変動の関係 山崎哲(海洋機構)2012年8月の北極低気圧の予測可能性に対するドイツ砕氷船上ゾンデ観測の影響 小守信正(海洋機構)大気海洋結合データ同化システム:海氷データの同化に向けて |
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成果となる論文・学会発表等 |
Bajish, C. C., S. Aoki, B. Taguchi, N. Komori, and S.-J. Kim: Quasi-decadal circumpolar variability of Antarctic sea ice. SOLA, 9, 32--35, doi:10.2151/sola.2013-008, 2013. Kida, S., and B. Qiu: An exchange flow between the Okhotsk Sea and the North Pacific driven by the East Kamchatka Current. J. Geophys. Res.: Oceans, 118 (2), 6747--6758, doi:10.1002/2013JC009464, 2013. 木田新一郎,高橋桂子: オホーツク海と太平洋の水塊交換. 2013年度日本海洋学会春季大会,東京海洋大学品川キャンパス, 東京都港区,2013年3月. Taguchi, B., and M. Ogi: Decada-scale co-variability in sea-ice extent between summer Arctic Ocean and winter Okhotsk Sea. Davos Atmosphere and Cryosphere Assembly 2013, Davos, Switzerland, July 2013. 小守信正, 田口文明, 山崎哲, 榎本剛, 三好建正: アンサンブル大気外力に対する全球海洋海氷結合モデルの応答. 2013年度日本海洋学会秋季大会, 北海道大学学術交流会館, 札幌市北区, 2013年9月. |