共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
海氷を利用したオホーツク海域の環境バイオモニタリングシステムの構築 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 酪農学園大学 農食環境学群 |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 馬場賢治 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
星野仏方 | 酪農学園大学農食環境学群 | 教授 |
2 |
萩原克郎 | 酪農学園大学獣医学群 | 教授 |
3 |
能田淳 | 酪農学園大学獣医学群 | 准教授 |
4 |
豊田威信 | 北大低温研 |
研究目的 | 本研究は、季節海氷域であるオホーツク海の海氷に含まれる微量元素や生物由来物質を中長期的に調査・分析することにより、環オホーツクでの生物相をはじめとした環境変遷・変動モニタリングを行うシステムを構築することである。 |
研究内容・成果 | 本年度は、予備調査として2013年度に採材して頂いたサンプルについて、生物学的な状況と併せて化学的組成について現在調査を進めている。一部の結果のみを含む途中経過報告させていただく。 サンプル採取場所: 以下の4地点、St. 1- St. 4について溶解、分析を行った。 1.2013年2月25日10時00分 北緯45度27.5591分 東経142度13.2856分 2.2013年2月25日15時50分 北緯45度10.3363分 東経142度29.0574分 3.2013年2月27日10時00分 北緯44度43.4560分 東経144度16.2847分 4.2013年2月28日13時00分 北緯45度09.8890分 東経143度58.3521分 溶解方法: -30℃に冷却した特級メタノール(99.5 % 以上)約300mlを2Lガラス製ビーカー(2L)に浸して、氷表面の洗浄、消毒を行った。この際、氷の溶解による粉砕予防、全表面をエタノールに浸すための反転手順が上手くいく様に、ポリエステル製のネットに氷を入れ、手でつり下げる形で、洗浄、消毒を行った。このメタノール槽にての洗浄を2回、メタノールを入れ替えて行い、最終段階では、DDWにて表面に残るエタノールを除去した。 分析状況: 溶解したサンプル溶液は大きく別けて3つの分析に別けて行っている。 1.バクテリア検査(選択培地培養法) 2009年のサンプルを、培地にて培養し、そこから特手の遺伝子情報を検討していく予定である。これまでに検査した項目は、金属と薬剤に耐性の遺伝子について調査することで、これらの関連性などを検証することを検討している。氷のサンプル中に生息している微生物は低温環境に適応していることが想定されるため、4℃の環境下で現在培養中である。過去の極域サンプル氷の例から、緩速である低温環境での培養は結果が出るまでに数週間から数ヶ月単位での時間が必要となる場合があった。 2.ウイルス検査(RNA検査法) メタゲノム解析を行い、網羅的にサンプル中微生物相を検証することが望ましいと考えるが、マシーンタイムと予算の関係から、今回のサンプルの分析については分析において不確定な要素が存在する。 選択的なウイルスの検査としては、肝炎などの人獣共通感染症を中心とした病原体の環境中挙動を検証していくことなどを行っている。あまりにも多くの病原体の存在が想定されるので、オホーツク圏で問題となっている感染症に関する情報などを元に、さらに的を絞った形で測定検討していく予定である。 3.金属測定(加熱気化水銀測定器、原子吸光高度計) 水銀、マンガン、銅についてのみの測定結果を、今回の測定結果と過去の結果を比較表示した。水銀、銅、マンガンの値が過去のデータとそれぞれ大きく異なっており、サンプリングされた地点による違いなのか、サンプル自体の部位による差なのか、今後の更なる分析、検討をが必要とする。これら以外の元素についても測定を進めて行く予定である。 |
成果となる論文・学会発表等 |