共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
グリーンランド氷床の質量変化と全球気候変動への影響 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 防災科学技術研究所 |
研究代表者/職名 | 主任研究員 |
研究代表者/氏名 | 山口悟 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
青木輝夫 | 気象庁気象研究所 | 物理気象研究部室長 |
2 |
本山秀明 | 国立極地研究所 | 教授 |
3 |
東久美子 | 国立極地研究所 | 准教授 |
4 |
榎本浩之 | 国立極地研究所 | 教授 |
5 |
朽木勝幸 | 気象庁気象研究所 | 研究官 |
6 |
庭野匡思 | 気象庁気象研究所 | 研究官 |
7 |
谷川朋範 | 宇宙航空研究開発機構 | 研究員 |
8 |
竹内望 | 千葉大学 | 准教授 |
9 |
植竹淳 | 新領域融合研究センター | 特任研究員 |
10 |
阿部彩子 | 東京大学 | 准教授 |
11 |
斉藤冬樹 | 海洋研究開発機構 | 研究員 |
12 |
藤田耕史 | 名古屋大学 | 准教授 |
13 |
保科優 | 名古屋大学 | D3 |
14 |
永塚尚子 | 千葉大学 | D2 |
15 |
的場澄人 | 北大低温研 | |
16 |
杉山慎 | 北大低温研 | |
17 |
Ralf Greve | 北大低温研 |
研究集会開催期間 | 平成 24 年 11 月 6 日 〜 平成 24 年 11 月 7 日 |
研究目的 | グリーンランド氷床は北半球最大の氷塊であり、全球氷体積の約10%、海水準にして約7mに相当する。氷床変動によって生じる地球規模の環境変化は海水準だけにとどまらず、グリーンランドから北大西洋に流れ込む淡水量増加が海洋循環に影響を与え、過去に何度も地球規模の気候変動をもたらしたと考えられている。本研究集会では、国内の研究機関に所属しているグリーンランドの観測をしている研究者、グリーンランドのコア解析をしている研究者、並びにグリーンランドの数値モデルに取り組んでいる研究者を一同に集め、情報交換・議論を行うことを目的とする。 |
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研究内容・成果 | 1.グリーンランド氷床の積雪に関する話題 2.Modeling of ice sheet and glacier 3グリーンランドの近年の質量変化に関する話題 4.グリーンランドの流動に関する話題 5.表面質量収支に関する話題 に関して、11/6-11/7に発表件数21件、参加者29名で行われた。 1のテーマでは、実際にグリーンランドで観測を行った結果を基に、現在どのような解析を行っているのか、今度どのような観測、解析を行う必要があるのかに関して議論が行われた。2.のテーマでは、グリーンランド氷床に関する様々な数値モデルに関する発表があり、モデルの精度向上に向けてモデル側から観測側に期待する点、また観測の側からモデルに関する疑問やモデル内で使用している数式に関する問題点などに関する議論が行われた。3のテーマでは、主に衛星を使ったデータ解析の結果が報告された。その結果、グリーンランド氷床だけではなく沿岸部に存在するアイスキャップの体積も縮小傾向であることが示された。それらの結果は今後モデルの精度向上に結び付けるためには、今後どのように解析をすべきかに関する議論が行われた。4のテーマでは、現地観測並びに衛星データの解析結果の報告がされ、沿岸部に存在するアイスキャップの流動特性が示されたほか、グリーンランド氷床の末端域の広範囲の流動場が明らかになった。このようなデータはモデルの流動場の計算の向上に貢献することが期待される。5のテーマでは、氷床やアイスキャップの表面アルベドを低くする雪氷微生物に関する話題や、積雪モデルを用いた詳細な質量収支の計算結果などの報告があり、雪氷微生物の影響をどのように積雪モデルに取り組むのかに関する議論が行われた。 このように、普段なかなか直接議論をする機会がない観測側の研究者と数値モデル側の研究者が、具体的な研究例を基に議論を行いそれを通じてお互いの情報交換をすることができた。また、それを基に来年度以降グリーンランドでどのような観測をすべきなのか、観測側としてモデル開発に期待することなどに関して建設的な話し合いをすることができた。その意味で今回の研究集会は観測とモデルが有機的に連携する大きな足掛かりになったと考えられる。 |
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研究集会参加人数 | 29 人 |