共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
表面科学と結晶成長 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 東北大学理学研究科 |
研究代表者/職名 | 教授 |
研究代表者/氏名 | 塚本勝男 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
荒木優希 | 東北大学理学研究科 | 博士課程2年 |
2 |
小林圭 | 京都大学工学研究科 | 助教 |
3 |
山岸裕史 | 京都大学工学研究科 | 修士課程2年 |
4 |
大西洋 | 神戸大理学研究科 | 教授 |
5 |
今村貴子 | 東北大学理学研究科 | 博士課程2年 |
6 |
安田隆 | 九州工業大学生命体工学研究科 | 准教授 |
7 |
梅田健一 | 京都大学工学研究科 | 博士研究員 |
8 |
長嶋剣 | 北大低温研 | 助教 |
9 |
佐崎元 | 北大低温研 | 准教授 |
10 |
川野潤 | 北大創世研 | 助教 |
研究集会開催期間 | 平成 24 年 11 月 26 日 〜 平成 24 年 11 月 27 日 |
研究目的 | 結晶成長は、結晶表面と外界との相互作用を取り扱う分野であるが、界面科学を主軸とする他の学問との相補的な研究は少ない。本研究会では、あらゆる界面をさまざまなスケールで取り扱う研究者を募り、互いの知識や技術を共有し、学術的交流を深めることを目的とした。参加者を、これからの研究を担う助教やポスドク、博士学生など若手研究者中心とすることで、界面科学が融合領域として発展する可能性を広げることを目指した。 |
研究内容・成果 | 26日は、初めにSandia National LaboratoriesのKonrad Thurmer先生による"Deciphering the morphology of ice films on metal surfaces"に関する特別講演が行われた。氷の結晶成長の初期過程をとらえた観察結果に対して多くの質問が寄せられた。その後は、最新のSPMを用いた液中測定の話を中心として、京大・小林圭先生による「周波数変調方式原子間力顕微鏡による表面・界面物性の可視化」、京大修士課程・山岸裕史さん「分子ドープされた極薄絶縁バッファ層を有する有機トランジスタ」、神戸大・大西洋先生「表面界面の分子科学」、東北大博士課程・荒木優希「カルサイト表面の液中成長過程における水和構造その場観察」の発表があり、固液界面の物性測定装置の開発や、結晶成長過程における溶媒の影響について議論が交わされた。後半では、理論と実験を組み合わせた研究例として、東北大博士課程・今村貴子さんによる「分子シミュレーションと和周波分光の協力による電解質水溶液表面構造の解明」の発表がなされた。また、界面科学の産業的応用例として、九工大・安田隆先生による「表面の濡れ性制御による微量液体操作」の発表があり、基礎研究を行う参加者との間で意見交換が行われた。 27日は、初めに京大・梅田健一さんの「界面活性剤集合体上での真の局所表面電荷密度測定に向けた詳細な解析」、北大・長嶋剣先生の「非接触原子間力顕微鏡による溶液成長観察」の発表があり、界面での物性測定に主眼を置いた液中SPMの計測例が紹介された。北大・川野潤先生の「第一原理計算に基づく結晶表面の解析手法」の発表では、結晶表面に与える不純物の影響について、実験をリードする解析結果が紹介され、今後の実験結果との整合性に期待が高まった。最後に、北大・佐崎元先生「高分解能光学顕微鏡による氷結晶表面の分子レベルその場観察」、東北大・塚本勝男先生「より速く より小さく」の発表によって、光学系によって界面現象にどこまで迫ることができるか、最新の結果が紹介された。光学顕微鏡の分解能の向上について、さまざまな意見が交わされた。 本研究会では、「界面」をキーワードとして幅広く発展するさまざまな分野の研究成果を共有した。各々の専門性を武器として、基礎から応用、理論と実験にまたがった研究を展開することによって、結晶成長を始めとする界面現象の解明が期待される。 |
研究集会参加人数 | 20 人 |