共同研究報告書
研究区分 | 研究集会 |
研究課題 |
天体の衝突物理の解明(VIII) |
新規・継続の別 | 継続(平成17年度から) |
研究代表者/所属 | 名古屋大学大学院環境学研究科 |
研究代表者/職名 | 助教 |
研究代表者/氏名 | 諸田智克 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
|
所 属
|
職 名
|
|
1 |
和田浩二 | 千葉工業大学惑星探査研究センター | 上席研究員 |
2 |
荒川政彦 | 神戸大理 | 教授 |
3 |
中村昭子 | 神戸大理 | 准教授 |
4 |
門野敏彦 | 産業医科大 | 教授 |
5 |
杉田精司 | 東大新領域 | 教授 |
6 |
関根康人 | 東大新領域 | 講師 |
7 |
鈴木絢子 | 神戸大CPS | GCOE研究員 |
8 |
桂木洋光 | 名大環境 | 准教授 |
9 |
木村宏 | 神戸大CPS | 准教授 |
10 |
町井渚 | 神戸大理 | 大学院生 |
11 |
岡本尚也 | 神戸大理 | 大学院生 |
12 |
羽山遼 | 神戸大理 | 大学院生 |
13 |
保井みなみ | 神戸大理 | 助教 |
14 |
嶌生有理 | 名大環境 | 研究員 |
15 |
藤田 幸浩 | 名大環境 | 大学院生 |
16 |
高木靖彦 | 愛知東邦大 | 教授 |
17 |
長谷川直 | JAXA/ISAS | 開発員 |
18 |
大竹真紀子 | JAXA/ISAS | 助教 |
19 |
岡本千里 | JAXA/ISAS | 研究員 |
20 |
柳澤正久 | 電通大 | 教授 |
21 |
中村真季 | 東大新領域 | 大学院生 |
22 |
洪鵬 | 東大新領域 | 大学院生 |
23 |
黒澤耕介 | JAXA/ISAS | 研究員 |
24 |
岡村奈津子 | 東大新領域 | 大学院生 |
25 |
鎌田俊一 | 東大地惑 | 大学院生 |
26 |
千秋博紀 | 千葉工大 | 上席研究員 |
27 |
小松吾郎 | 千葉工大 | 客員研究員 |
28 |
中村良介 | 産総研 | 研究員 |
29 |
平田成 | 会津大 | 准教授 |
30 |
浅田智朗 | 会津大 | 教授 |
31 |
古川善博 | 東北大 | GCOE研究員 |
32 |
大野宗祐 | 千葉工大 | 上席研究員 |
33 |
山本聡 | 環境研 | 研究員 |
34 |
道上達広 | 近畿大 | 准教授 |
35 |
和田桂一 | 鹿児島大 | 教授 |
36 |
木村眞 | 茨城大理 | 教授 |
37 |
富岡尚敬 | 岡山大地球物質科学センター | 准教授 |
38 |
三河内岳 | 東大大学院理 | 准教授 |
39 |
三村耕一 | 名大環境 | 准教授 |
40 |
関根利守 | 広島大理 | 教授 |
41 |
山本哲生 | 北大低温研 | |
42 |
田中秀和 | 北大低温研 |
研究集会開催期間 | 平成 24 年 11 月 18 日 〜 平成 24 年 11 月 20 日 |
研究目的 | 本研究集会においては,惑星物質科学としての氷物性の研究と惑星系の起源・進化への応用,特に衝突現象の解明に重点を置いた議論を行い,研究者間の研究交流および共同研究の促進を図ることを目的とする.惑星系の起源・進化の過程において天体同士の衝突合体・破壊は非常に重要な素過程の一つである.天体衝突現象の解明に向け,室内衝突実験・理論的研究・探査データ解析・衝突地質学・隕石分析など,様々な手法を駆使した研究活動に基づいて多彩な視点から議論するべく本共同研究集会を開催した. |
|
|
研究内容・成果 | 天体の衝突現象に関わる実験研究,観測,探査,分析,数値シミュレーションの専門家が全国から集い,招待講演4件を含む33件の口頭発表と10件のポスター発表があった.16の研究機関から50人を超える参加者による活発な議論が行われ,大いに盛り上がった. 特に今回は「小天体の衝突・軌道進化」というサブテーマを設定し,小天体の地上観測と軌道数値計算を専門にされているソウル大の石黒正晃氏,国立天文台の伊藤孝士氏,吉田二美氏,東京工業大の樋口有理可氏を講師としてお招きした.太陽系の天体衝突の歴史を復元するには衝突物理の理解に加え,実際の小天体の軌道や運動,物理特性などの多角的な情報とそれらの進化が相互にどのように影響し合っているのかを理解することが不可欠である.石黒氏からは小惑星シーラで観測されたチリ雲が衝突放出物で説明できることが紹介された.小惑星表面の衝突放出物が観測されたのは天文学史上初めてのことであり,天体スケールにおける衝突現象の理解に向けて今後さらなる直接観測の進展が期待される.伊藤氏からは近地球小惑星の軌道計算に基づいた月面衝突頻度の空間的分布に関する話題を発表して頂いた.小天体軌道と惑星表面のクレータ記録をつなぐ仕事は小天体の軌道進化史を解明する上で有効なアプローチであり,近年の探査データの充実を考えるとその重要性は増していると言えるだろう.樋口氏からはオールト雲の形成シナリオの概説とともに,解析的研究に基づいて各素過程を丁寧に解説して頂いた.オールト雲形成過程解明の重要性は,惑星と微惑星の重力相互作用に起因している点であり,太陽系外縁部のみならず太陽系内側の構造進化を考える上でも重要であることが実感できた.吉田氏からはすばる望遠鏡の新しいカメラ,Hyper Suprime-Cam (HSC) の紹介とともに,太陽系小天体の物理特性に関するレビューをして頂いた.HSCによる小天体サーベイではより小さい天体の発見が可能になることから,太陽系小天体の衝突破壊過程研究の更なる進展と,惑星クレータ統計との比較研究の進展が期待される.それぞれの講演では数値計算研究・地上観測研究の観点から小天体研究の現状の問題点や今後の方向性も示され,小天体の軌道進化史,物理特性解明に向けての方向性を多角的に議論する場として十分に機能した. そのほかにも衝突現象全般に関わる様々な興味深い発表が多数あり,多分野の交流を通じて,本研究会が更なる衝突研究の進展に貢献したと言える.実際に,本共同研究集会を開催したことで,北大低温研を核とする共同研究がいくつか芽生えている.それにより天体衝突物理の解明に向けた活発な議論と緊密な研究交流,さらには新たな研究テーマの創生に繋がることが期待される. |
|
|
研究集会参加人数 | 51 人 |