共同研究報告書


研究区分 研究集会

研究課題

寒冷圏フィールドワークの課題と展望
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 北大低温研
研究代表者/職名 助教
研究代表者/氏名 的場澄人

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

本山秀明 国立極地研究所 教授

2

椎野若菜 東京外国語大学アジア・アフリカ研 准教授

3

佐藤靖明 大阪産業大学人間環境学部生活環境学科 講師

4

福井幸太郎 立山カルデラ砂防博物館 学芸員

5

小西公大 東京外国語大学現代インド研究センター 特定研究員

6

近藤康久 東京エ業大学大学院情報理エ学研究科 学振特別研究員PD

7

梶丸岳 東京外国語大学アジア・アフリカ研 ジュニア・フェロー

8

大西健夫 岐阜大学応用生物科学部 助教

9

澤柿教伸 北海道大学地球環境科学研究院 助教

10

駒澤大佐 長崎大学医歯薬学研究科 博士課程学生

11

丹羽朋子 東京大学大学院 博士課程学生

12

星泉 東京外国語大学アジア・アフリカ研 准教授

13

植竹淳 情報システム研究機構 特任研究員

14

村尾るみこ 東京外国語大学アジア・アフリカ研 研究機関研究員

15

渡邊三津子 総合地球環境学研究所 プロジェクト研究院

16

白岩孝行 北大低温研 准教授

研究集会開催期間 平成 25 年 1 月 6 日 〜 平成 25 年 1 月 7 日
研究目的  本研究集会の目的は、(1)人間活動に影響を与えうる「寒冷圏・山岳地域」における近年の気候や自然環境の変化の地球科学的な事実を確認すること、(2)「寒冷圏・山岳地域」の影響下にある人間生活において生じている(いない)社会・生活環境の変化の事実を明らかにすること、(3)それらの関係から、地球規模の環境変動が与える人間活動、社会への影響についての科学的認識と文化的な認識の相違を明らかにすること、(4)それらの議論に基づいて寒冷圏における学際的なフィールドワーク実施のための課題と展望を議論することである。
  
研究内容・成果  寒冷圏や山岳地域は、地球上で最も温暖化が顕著に現れる場所といわれている。気候変動を理解するため、海氷の減少や永久凍土の融解、水循環システム変化の実態把握と変動のメカニズムを解明する研究が行われている。一方、気候変動による自然現象の変化が様々な層の人間活動に現れている影響に関する人類学的研究も行われている。本研究集会では、上述した研究目的を達成するために、寒冷・雪氷圏の地球科学的な研究を進めている低温科学研究所において、環境変化と人間活動に関する研究に対して異なるアプローチをしている研究者が一堂に会し、研究発表及び議論を行うことにより、学際的なフィールドワーク実現へ向けての礎となる議論、提案がなされることを期待して開催された。
 平成24年度は平成25年1月6-7日に研究集会を開催した。参加者の専門研究分野は、民族植物学、社会人類学、文化人類学、生態人類学、医療社会学、考古学、社会学、民俗学、気象学、雪氷生物学、古気候学と多岐にわたった。
 普段各自が取り組んでいる 様々な研究テーマの中から環境の変化に影響を受ける人間生活に関わるエッセン スを中心に9件の研究発表と質疑議論が行われた。研究発表に引き続いて行われた議論では、「行政に影響を受ける人々の生活と自然環境によって制限される人々の生活」、「フィールド観測者が対象フィールドに与える影響」について議論が交わされ、次回開催時の主題として取り上げることになった。
 今回の集会は初めての試みであり、集会の方向性や議論の方法等、主催者、参加者とも模索しながらではあったが、分野横断型研究への発展という意識が共有され、議論が不必要に発散することなく、普段接点が少ない研究分野との交流、意見交換ができ意義ある会議になった。反省点としては、学術分野によって研究者の年間スケジュールが異なり、予定していた全ての分担者の参加がならなかったことがある。次回は、その点に留意して開催時期を検討する。
  
研究集会参加人数 12 人