共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

低温下での油脂単結晶作成のための溶解度測定および結晶成長ステップの観察
新規・継続の別 継続(平成23年度から)
研究代表者/所属 広島大学
研究代表者/職名 教授
研究代表者/氏名 上野聡

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

本同宏成 広島大学大学院生物圏科学研究科 講師

2

池田絵梨子 三菱化学フーズ株式会社 研究員

3

佐崎元 北大低温研

4

古川義純 北大低温研

研究目的 これまでの知見により、油脂単結晶をできるだけ大きいサイズで作成し、その油脂結晶表面の成長を、レーザー共焦点微分干渉顕微鏡を用いて、分子レベルで高分解能で観察すること。また、高分解能で観察できる条件を探る。
  
研究内容・成果 レーザー共焦点微分干渉顕微鏡を用い,食用油脂の一種であるトリラウリンの単結晶表面を観察した.油脂結晶が融液中でラセン成長する様子を観察することに成功した.融液成長の分子レベルその場観察は,油脂に限らずどのような結晶でも行われておらず,本研究が初めての報告となる.またステップ前進速度の過冷却度依存性について測定したところ,融点近傍では過冷却度依存性が大きくなった.このことは融点付近では異なるメカニズムにより結晶が成長することを意味する.融点近傍ではエントロピーの効果により,ステップ形状が変化し,ステップの前進を促進していると考えられる.
  
成果となる論文・学会発表等 H. Hondoh, G. Sazaki, K. Sato, Y. Furukawa, S. Ueno,
"Molecular Level Observation of Growing Steps on fat Crystal"
The 104th American Oil Chemists' Society Annual Meeting & Expo., Motreal, Canada, April 28 - May 4, 2013.