共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

寒冷陸域におけるモデルパラメータの高度化
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 独立行政法人海洋研究開発機構
研究代表者/職名 主任研究員
研究代表者/氏名 鈴木和良

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

渡辺力 北大低温研

研究目的 寒冷陸面での水・熱輸送は、雪氷が介在することで、非線形性や不連続性が顕著になり、そのモデル化は不完全である。本研究では、寒冷陸面に顕著に見られる凍結土壌中での水・気体の流れに焦点をあて、その輸送過程を低温室内での実験を通してモデル化することを目的とする。
  
研究内容・成果 (1)低温室実験
 実験条件は、-5℃の低温室内において行った。実験に用いたサンプルは粒径の粗い珪砂を、円筒型の透明プラスチックケースに入れて、飽和したものをである。サンプルは、実験室内に入れる前は、できる限り0℃に近づけるように冷蔵庫内で保管した。サンプルは、低温室内に入れた後、約12時間程度で完全凍結した。その凍結する過程で、サンプル内の液水の分布がどのようになっているのかMRIを用いて可視化した。本実験によって、一旦0℃以下に冷却される過冷却状態が2-3時間程度継続し、過冷却状態が壊れると温度が急上昇して、凍結する過程で潜熱を放出することが分かった。急上昇した後、0℃近くに達すると、徐々にサンプルの温度は低下し、室温に達した段階で完全凍結を迎えた。

(2)モデル化
 凍土への融雪水浸透量を推定可能な簡便なパラメータ・モデルを開発した。そのモデルによるシミュレーション結果と実際の観測データを比較することで妥当性を検証した。
  
成果となる論文・学会発表等 Suzuki, K., Estimation of snowmelt infiltration into the frozen ground and snowmelt runoff in the Mogot experimental watershed in East Siberia, Bulletin of Glaciological Research, 投稿中.