共同研究報告書


研究区分 一般研究

研究課題

カラマツ属樹木の着花に関わる気象要因の解明
新規・継続の別 新規
研究代表者/所属 森林総合研究所北海道育種場
研究代表者/職名 主任研究員
研究代表者/氏名 福田陽子

研究分担者/氏名/所属/職名
 
氏  名
所  属
職  名

1

山田浩雄 森林総合研究所北海道育種場 育種課長

2

田村明 森林総合研究所北海道育種場 研究室長

3

矢野慶介 森林総合研究所北海道育種場 主任研究員

4

原登志彦 北大低温研 教授

5

小野清美 北大低温研 助教

研究目的 カラマツ属(カラマツ、グイマツ×カラマツ雑種)は、北海道において最も重要な林業樹種であるが、着花(果)に顕著な豊凶があり、着花促進技術が確立されていないため、安定した種苗生産ができない現状にある。現在のところ、カラマツ属の種子生産は野外の採種園で行われているが、着花に関わる環境要因が明らかになれば、豊凶の予測に基づいた計画的な採種が可能になるだけではなく、人工的に制御された環境下で、安定的な種子生産が可能となる。
 本研究では、これまでの解析結果に基づき、バイオトロンを利用して着花が促進される環境と抑制される環境を再現し、カラマツの着花量及び花芽形成関連遺伝子の発現量の差異を明らかにする。
表.苗木の育成条件  
研究内容・成果  カラマツの花芽形成には、春先の低温と6〜8月の高温と少雨が影響を与えると推定されていることから、3/14〜8/22の期間、低温実験室を利用して花芽形成を促進する環境及び抑制する環境を再現し(表)、花芽形成状況を比較するとともに、花芽形成関連遺伝子の発現解析を行うこととした。材料には、毎年当年枝に雌花を着生する突然変異体カラマツ(FLクローン)と対照としてカラマツ精英樹2クローン(草津2号、日高(支)10号)を使用した。いずれも接ぎ木苗であり、それぞれ育苗ポットに植栽されている。各条件下で、1クローン当たり3個体ずつ、計9個体ずつを育成した。花成関連遺伝子の発現を調べるため、開葉後、約2週間おきに1個体当たり1年枝及び2年枝3本より、葉または枝のサンプリングを行った。採取したサンプルは液体窒素で直ちに凍結し、-80℃の超低温フリーザーで保存した後、RNA抽出に供した。現在、これらのサンプルについて、花芽形成関連遺伝子の発現解析を進めている。
表.苗木の育成条件  
成果となる論文・学会発表等