共同研究報告書
研究区分 | 萌芽研究 |
研究課題 |
氷の物理と化学研究の新展開 |
新規・継続の別 | 萌芽(3年目/全3年) |
研究代表者/所属 | 北大院工学研究科 |
研究代表者/職名 | 准教授 |
研究代表者/氏名 | 内田努 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
荒川雅彦 | 神戸大学院理学研究科 | 教授 |
2 |
津田栄 | 産総研 | 研究グループ長 |
3 |
灘浩樹 | 産総研 | 主任研究員 |
4 |
堀彰 | 北見工業大 | 准教授 |
5 |
小川直久 | 北海道工業大 | 教授 |
6 |
能田淳 | 酪農学園大 | 准教授 |
7 |
古川義純 | 北大低温研 | |
8 |
佐崎元 | 北大低温研 | |
9 |
渡部直樹 | 北大低温研 | |
10 |
飯塚芳徳 | 北大低温研 |
研究目的 | 氷は地球や惑星系の寒冷環境における様々な自然現象と関連した極めて重要な物質であり、その物理・化学的特性の研究は、これらのしくみを理解するうえで大きな鍵となる。また氷は、寒冷圏における生物科学や大気化学等の分野でも重要性を増している。さらに氷表面・界面での物理・化学反応は、クラスレートハイドレートやオゾン破壊反応やエアロゾルなどの環境問題とも密接に関連している。このように氷に関する諸問題はそれぞれの専門分野で議論され、根底にある科学的な共通理解が不足しているのが現状である。本提案課題は、氷に関する研究を科学的・総合的な議論を行うことが可能な、研究者コミュニティを構築することを目指す。 |
研究内容・成果 | 当該目的のため、2012年12月6〜7日に「氷の物理と化学研究の新展開2012」と題して研究集会を開催した。この研究集会には、本共同研究プログラムへの参加者を中心に、国内の産官学研究機関より50余名が参加し、22件の研究発表が行われた。 研究発表は以下のようなセッションで行なわれ、実験的研究から計算科学的研究まで様々なアプローチが紹介された。 ・クラスレートハイドレートのゲスト・ホスト相互作用(5件) ・氷・水の多形と解析方法(4件) ・氷の生成と表面層(4件) ・クラスレートハイドレートの物性測定(5件) ・水・氷の反応と解析、他(4件) このように、異分野で水分子に関わった研究を進めている研究者が一堂に会し、様々な角度から議論をすることができた(会議風景参照)。発表内容も、現在進行中の研究など最先端の内容が多く、得られた結果について様々な議論が行われたりした。そうした議論をもとに、参加者間での研究協力が相談され、これまで構築されてきたネットワークがさらに広がりを見せた。 さらに今年度が本研究課題の最終年度に当たるため、本研究課題を中心に構築された水・氷・クラスレート水和物関連の研究に携わる研究者コミュニティを継続・発展させるため、本研究課題に積極的に参加してくださった研究者を中心に「氷科学研究会(仮称)」を発足させた(幹事10名、うち低温研内5名)。 また、3年間の成果をまとめて記録に残すため、「低温科学」に本研究課題の特集を組み、発行した。 |
成果となる論文・学会発表等 |
「低温科学」第71巻 ―氷の物理と化学の新展開― (論文数21題)(2013.3発行) |