共同研究報告書
研究区分 | 一般研究 |
研究課題 |
不凍タンパク質・氷核タンパク質共存下での氷の結晶成長実験 |
新規・継続の別 | 新規 |
研究代表者/所属 | 産総研 |
研究代表者/職名 | 主任研究員 |
研究代表者/氏名 | 灘浩樹 |
研究分担者/氏名/所属/職名 | |||
氏 名
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所 属
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職 名
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1 |
古川義純 | 北大低温研 |
研究目的 | 本研究の目的は、氷の結晶成長を抑制する不凍タンパク質(AFP)と氷の核生成を促進する氷核タンパク質(INP)の両方が共存する場合の氷の結晶成長実験を実施し、各々のタンパク質機能をより深く理解するとともに、結晶成長の不純物効果に関する新しい知見を得ることにより幅広く学術に貢献することである。 |
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研究内容・成果 | 研究内容: INPを持つ氷核活性バクテリアの破砕物試料(Xanthomonas campestris、和光純薬工業)と魚のAFP(Type-3)を含む水溶液からの氷の自由成長実験を実施した。水溶液1ml中のバクテリア含有量は1mg、AFP含有量は0.009mgとした。氷の成長形を観察すると同時に、成長速度(氷のc軸方向およびa軸方向)を何点かの過冷却度に対して測定した。実験は、北海道大学低温科学研究所の氷結晶自由成長装置を用いて実施した。c軸方向の成長速度測定にはMach-Zehender干渉計を用いた。 研究成果: 実験の結果、氷の成長形は、c軸方向だけでなくc軸に垂直な方向もファセット化したものであった。このc軸に垂直な方向のファセット化は、その方向の面へのAFP吸着を反映したものであると思われる。一方、成長速度の測定結果は、c軸に垂直な方向の成長速度が純水からの成長の場合よりも大きくなることを示した。これは、INPの効果によるものである。これらの結果は、AFPとINPの両方の効果が相殺されることなく現れたことを示している。以上の結果をもとに我々は、INPの氷吸着面はAFPの氷吸着面とは異なりc軸方向の面(ベーサル面)に吸着するものと考察している。 |
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成果となる論文・学会発表等 |